重賞ウィナーレポート

2014年05月04日 天皇賞(春) G1

2014年05月04日 京都競馬場 晴 良 芝 3200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:フェノーメノ

プロフィール

生年月日
2009年04月20日 05歳
性別/毛色
牡/青鹿毛
戦績
国内:14戦7勝
総収得賞金
629,108,000円
ステイゴールド
母 (母父)
ディラローシェ(IRE)  by  デインヒル(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
追分ファーム (平取)
調教師
戸田 博文
騎手
蛯名 正義

 メジロマックイーン、テイエムオペラオーに続く、史上3頭目の天皇賞(春)(G1)連覇。歴史的名馬と肩を並べることとなったフェノーメノだが、そこまでの道のりは、決して平坦ではなかった。

 宝塚記念(G1)で4着に敗れた後、秋のG1シリーズを目指して調整を行ってきた矢先に、左前脚に左前繋靱帯炎を発症。春・秋天皇賞制覇の夢は潰えることとなっただけでなく、天皇賞(春)(G1)で下してきた馬たちがジャパンC(G1)、有馬記念(G1)でも好走を続ける中、その舞台にフェノーメノの姿は無かった。

 「幸いなことに繋靱帯炎の症状は軽度だったのですが、疲れが抜けきらないとのことで、秋のG1戦線への参戦は自重することとなりました。ただ、その頃から天皇賞(春)(G1)に向けて切り替えるという目標はできていましたし、ここで無理をさせなかったことが、この勝利にも繋がっている気がします」とは追分ファーム事務局の伊関太郎さん。その宝塚記念(G1)から約9か月、フェノーメノは日経賞(G2)で復帰を果たす。

 「久しぶりの競馬ということもあるのでしょうが、いい頃のフェノーメノと比べると、まだ筋肉の張りが寂しかったような気もしました。それでもメンバーが揃っていた中で5着と実力は示してくれましたし、天皇賞(春)(G1)では更にいい状態で出走できるのではという期待も生まれてきました」(伊関さん)

 その日経賞(G2)よりもプラス10㎏の馬体で望んだ天皇賞(春)(G1)。中間の調整の様子も伊関さんの元には届いていたが、厩舎スタッフからの「昨年よりも気配はいいのでは」との言葉に期待も膨らんだ。

 「人気こそ落としていましたが(4番人気)、状態の良さ、そして能力と、その評価の馬では無いとの思いは持ち続けていました。自分の競馬ができれば必ずいい結果を見せてくれると思っていましたし、その通りの競馬を蛯名騎手が見せてくれて、しかもフェノーメノもそれに応えてくれました」(伊関さん)

 上位人気に支持されていた馬では、最も早く動き出したフェノーメノ。最後の直線で抜け出すと、後方からウインバリアシオン、ホッコーブレーヴ、そしてキズナも迫って来るも、最後まで交わされなかった勝負強さは、さすがディフェンディングチャンピオンと呼ぶに相応しいものだった。

 この後、陣営からは宝塚記念(G1)の出走を見送って、秋の古馬G1シリーズ(天皇賞(秋)(G1)、ジャパンC(G1)、有馬記念(G1))を目指すとの発表があった。

 「生産馬ということだけでなく、関東馬としても古馬のエース格となるような活躍を期待できそうですし、秋競馬では昨年の無念を晴らすようなレースを見せてもらいたいです」(伊関さん)