重賞ウィナーレポート

2014年04月27日 マイラーズC G2

2014年04月27日 京都競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ワールドエース

プロフィール

生年月日
2009年02月22日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:8戦4勝
総収得賞金
228,423,000円
ディープインパクト
母 (母父)
マンデラ(GER)  by  Acatenango(GER)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
池江 泰寿
騎手
A.シュタルケ

   一昨年の日本ダービー(G1)では1番人気の支持を集めたワールドエース。今年の白富士Sで1年8ヶ月ぶりの復帰を果たすと、初のマイル戦となったこのマイラーズC(G2)では、3歳時の若葉S以来の勝利。コースレコードも樹立するなど、実力馬の復活を強く印象付けた。

   「勝ってくれて良かったと言うよりも、無事にこの舞台へと送り出せて良かったという気持ちの方が強いです」とは育成、そして調整期間も見守ってきた、ノーザンファーム早来牧場の横手裕二厩舎長。3歳時、左前脚に屈腱炎を発症したワールドエースを再び競馬場へと送り出すために尽力してきたが、まさにそれは一進一退の日々だった。

   「患部の状態を確かめながら、ちょっと進めては休ませて、また脚元が安定してきたら進めてと、時間をかけながら調整を進めてきました。復帰の目処が立った時には、嬉しさというよりも、ここで調教を強めることで、また悪かった頃の状態に戻ってしまうのではという怖さも感じた程です」(横手厩舎長)

   屈腱炎が競走馬にとって不治の病と言われる理由はここにある。再発はまた、長期の休養を余儀なくされるということであり、となればこれまでのスタッフの努力、そして復帰を待っていた関係者の思いもふいになってしまうからだ。

   「嬉しかったのは白富士Sで復帰してくれたこと、そして脚元が大丈夫だという連絡を受けた時ですね。レース後はひょっとしたら悪い知らせが来るのではとドキドキしていました」(横手厩舎長)

   デビュー以来、初めてのマイル戦となったこのマイラーズC(G2)だが、そのローテーションに驚きを感じていたのと同時に、今のワールドエースならこなせるのではないかとの思いもあった。

   「気性も前向きですし、能力からしてもマイルが不得手ということはないと思っていました。それでも芝中短距離のトップクラスを相手に、勝ったどころかあのタイムで走ってくれたことには驚かされました」(横手厩舎長)

   レース後、そしてこの取材の時まで横手厩舎長の元には、ワールドエースの脚元に関する悪い連絡はなんら入っていない。

   「あれだけの競馬をしたので、レース後はまたドキドキしていましたが、今はホッとしています(笑)。それどころかマイル戦における高い資質を示せたと思いますし、これならG1でも充分にやれるのではとも思っているので、3歳の頃に果たせなかったG1制覇を、これからのレースで成し遂げてもらいたいですね」(横手厩舎長)

   ワールドエースは次走に安田記念(G1)を予定。その時は脚元の心配を何も考えなくてもいいような喜びを、横手厩舎長や復帰を待ちわびた関係者に届けて欲しい。