重賞ウィナーレポート

2014年03月30日 マーチS G3

2014年03月30日 中山競馬場 小雨 重 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ソロル

プロフィール

生年月日
2010年03月29日 04歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:16戦6勝
総収得賞金
242,868,000円
シンボリクリスエス(USA)
母 (母父)
ラバヤデール  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
追分ファーム (安平)
調教師
中竹 和也
騎手
蛯名 正義

 これも血統がなせるわざなのだろうか。マーチS(G3)に出走したソロルは好位に付けると直線で先頭に立ち、そのまま押し切って先頭でゴール。これが初の重賞制覇となったが、血統を紐解くと、母ラバヤデールの全兄弟にはG1 4勝馬のゴールドアリュール、そして叔父には根岸S(G3)で初の重賞制覇を飾った、ゴールスキー(牡7)がいることに気付かされる。

 「ラバヤデールはその血統背景だけでなく、馬体の印象もニキーヤに良く似ており、その点からも繁殖牝馬として期待を持っていました」とは追分ファームの事務局の伊関太郎氏。デビュー3戦目に初勝利をダートであげたソロルは、続く黒竹賞も勝利。ヒヤシンスSで2着、兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)で3着になるなど安定した成績を残しながら、昨年末にはオープン入り。年明けにはポルックスSを勝利して、フェブラリーS(G1)にも出走する。

 「先日、管理をされている中竹調教師とお話しさせていただく機会があったのですが、フェブラリーS(G1)は出走できるかどうかが不透明な状況だったこともあり、調教もセーブせざるを得なかったとのことでした。しかも、あのメンバーを相手にしては、12着という着順も仕方が無かったのかなと思います。それでもこのマーチS(G3)は最高の状態で望めたとのことで、自分の力を出し切れたことが、最高の結果となって現れてくれたのかもしれません」(伊関氏)

 このマーチS(G3)でもソロルのような4歳馬から11歳馬まで、様々なキャリアを持った馬が出走していたが、年齢やキャリアが物語るように、ダート戦は脚元への負担が少ないこともあり、高齢馬がゲート内に名を連ねることも珍しく無い。しかも重賞を勝利した馬は、その後のレース選択が楽になるが、ソロルのようにオープンを勝っただけの馬は、なかなか思ったようなレースに出走することができない。実際にソロルもオープン入り後は交流重賞への出走を目指していたが、登録の段階で出走を諦めざるを得なかったこともあった。

 「それでも重賞馬となったことで、今後は馬の状態、そしてソロルの個性にあったローテーションが組まれていくはずです。できることなら今後も重賞タイトルを積み重ねて、今年は挑戦者として望んだフェブラリーS(G1)ですが、来年は主力の1頭として注目されるような存在になっていて欲しいですね」(伊関氏)

 書き出しで「血統がなせるわざ」と書いたが、ゴールドアリュール、そしてゴールスキーとこの牝系の産駒たちは、優れたダート適性を遺伝されるだけでなく、高い成長力も秘めている。ゴールスキーが初重賞制覇をあげたのは7歳となってから。またゴールドアリュールも、喉の疾患がなければ4歳の夏以降も更に重賞タイトルを積み重ねたはずだ。

 鞍上を務めた蛯名騎手も「これから競馬を覚えて来れば楽しみ」と語っているように、まだまだソロルには上積みが残されている。しかも年齢はまだ4歳。将来は2頭の叔父と肩を並べるような「砂の王者」へなるきっかけが、後にこのマーチS(G3)だったと言われるのかもしれない。