重賞ウィナーレポート

2014年03月08日 チューリップ賞 G3

2014年03月08日 阪神競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ハープスター

プロフィール

生年月日
2011年04月24日 03歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:4戦3勝
総収得賞金
360,248,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ヒストリックスター  by  ファルブラヴ(IRE)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
松田 博資
騎手
川田 将雅

 能力が違っていた。今年のチューリップ賞(G3)で単勝1.1倍という圧倒的な支持を集めたハープスター。後方2番手からレースを進めると、最後の直線では大外に進路を取り、あっという間に先頭へと踊り出る。ちなみに上がり3ハロンの末脚はメンバー中唯一の33秒代である33秒7。勝ち時計は1分34秒3となったが、過去10年でハープスターより速い時計で勝利した馬はあのウオッカ(1分33秒7)しかいないという事実もまた、ハープスターがG1級の能力を持っていることを証明している。

 「阪神JF(G1)より格段に状態が上がっていました。返し馬の動きも良かったですし、自分のレースができれば、いい結果が付いてくると思っていました」とはハープスターの育成を手がけたノーザンファーム早来牧場の日下和博厩舎長。祖母ベガにも跨ったことのある日下厩舎長は、その血を引くハープスターに対する思いも強い。

 「今から振り返っても、阪神JF(G1)は悔しいレースでした。それでも、勝ち馬であるレッドリヴェールとはまた戦える機会もあるわけですし、まず桜花賞(G1)でその時の借りを返してもらいたいです」(日下厩舎長)

 これでマイルでは3戦2勝2着1回。しかもチューリップ賞(G3)と同条件で行われる桜花賞(G1)に何の不安が無いようにも思えてくるが、日下厩舎長はその後の姿も思い描く。

 「マイルはハープスターにとって適性条件だと思いますが、オークス(G1)の行われる東京2400mも十分にこなせるだけの能力は備わっていると思います。桜花賞(G1)では阪神JF(G1)で共に戦った馬や、別路線から駒を進めてきた馬など、今回よりも格段にレベルは上がったレースになると思いますが、それでもハープスターの能力を出し切れば、十分に勝ち負けになると信じています」(日下厩舎長)

 先日、ハープスターが凱旋門賞(G1)に登録するとのニュースがスポーツ紙を賑わせた。この能力の高さなら、然もありなんという気もしてくるが、日下厩舎長にその話を向けると、「まずは桜花賞(G1)、そしてオークス(G1)を勝った時に、初めて凱旋門賞(G1)への挑戦が見えて来ると思います」と話してくれた。

 日本調教馬、そして日本生産馬が何度も苦汁を飲まされてきた凱旋門賞(G1)。だが、桁外れの能力を持つハープスターが、それに違わぬ実績をこの春に残し、そして斤量的にも有利とされる3歳牝馬として凱旋門賞(G1)に望めるのなら、日本競馬の悲願が達成される日は現実ともなりうる。そのためにもハープスターにはまずは桜花賞(G1)で、「勝利」という結果を掴み取って欲しい。