重賞ウィナーレポート

2014年03月09日 弥生賞 G2

2014年03月09日 中山競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:トゥザワールド

プロフィール

生年月日
2011年04月12日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:5戦4勝
総収得賞金
260,016,000円
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
池江 泰寿
騎手
川田 将雅

 今年の牡馬クラシック戦線に、世代屈指の良血馬が名乗りをあげた。単勝1.6倍の支持を集めてこのレースに臨んだのは、2歳未勝利戦から3連勝を果たしたトゥザワールド。母はエリザベス女王杯馬のトゥザヴィクトリー、全兄は重賞5勝馬のトゥザグローリーという血統背景を持つトゥザワールドは、直線で早めに先頭に立つと、ワンアンドオンリーの追撃をハナ差振り切り、4連勝で初重賞制覇を飾った。

 「連勝こそしていましたが、まだ重賞を戦っているような一線級とのレースはしていなかったので、このレースが試金石となるだろうという見方をしていました」とは全兄トゥザグローリー、そして父のキングカメハメハの育成も手がけてきた、ノーザンファーム早来牧場の横手裕二育成厩舎長。その血統背景もあり、デビュー前から注目を集めていたトゥザワールド。牧場での評価も高く、横手厩舎長も活躍は見込んではいたものの、良血馬が期待通りの結果を残す難しさもこれまで感じてきていた。

 「単勝オッズほどに抜けた存在ではないと思いましたし、同世代にはまだ戦ってなくとも強い馬たちもいます。このレースは勝ってくれることに越したことはありませんが、それよりも本番である、皐月賞(G1)に繋がるレースをして欲しいとの思いもありました」(横手厩舎長)

 戦前、管理をする池江泰寿調教師からは、皐月賞(G1)だけでなく日本ダービー(G1)にも繋がるレースをしていきたいとの報告が入っていた。それを実戦したのが川田将雅騎手であり、中団待機から直線に入っての早め先頭も、同じ舞台で行われる皐月賞(G1)を見越しての騎乗という見方もできてくる。

 「道中の位置取りも含め、色々試していた部分もあったのではないのでしょうか。それでも勝負どころであれだけスムーズに反応できたのは、何よりも収穫だったと思います。最後は2着馬に詰め寄られましたが、それでも勝利したことを評価したいですし、本番に向けて、まだ考えるべきことが見つかったというのは良かったと思います」(横手厩舎長)

 「一競馬ファンとしても皐月賞(G1)は面白くなりそうですね。」とも話す横手厩舎長。ちなみにノーザンファーム生産馬では、きさらぎ賞(G3)を制したトーセンスターダム、そして2着のバンドワゴンが出走を表明しており、2頭共に上位人気を集めそうである。こうしたライバルたちとトゥザワールドがどう渡り合うのか。役者が揃った今年の皐月賞(G1)は、近年稀に見る面白いレースとなりそうだ。