重賞ウィナーレポート

2014年02月17日 東京新聞杯 G3

2014年02月17日 東京競馬場 晴 重 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ホエールキャプチャ

プロフィール

生年月日
2008年02月24日 06歳
性別/毛色
牝/芦毛
戦績
国内:23戦7勝
総収得賞金
532,316,000円
クロフネ(USA)
母 (母父)
グローバルピース  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
嶋田 賢
生産者
千代田牧場 (静内)
調教師
田中 清隆
騎手
蛯名 正義

 安田記念(G1)やヴィクトリアマイル(G1)と同じ舞台で行われる「東京新聞杯(G3)」は、上半期の古馬マイル路線を占う意味でも重要な1戦。64回目となる今回は、雪のために1週間順延された2月17日に東京競馬場で行われ、新ひだか町の千代田牧場が生産した6歳牝馬のホエールキャプチャが中団待機から直線外目をとおって、早め先頭からそのまま押し切って優勝した。勝ち時計は1分33秒2(重)。牝馬による同レース優勝は93年のキョウワホウセキ以来21年ぶりの快挙。

 ホエールキャプチャは、父クロフネ、母グローバルピース(母の父サンデーサイレンス)という血統。2歳秋の芙蓉ステークスでオルフェーヴルの追い込みを退けて逃げ切った同馬は、3歳春のクイーンC(G3)で重賞初勝利。同年秋のローズステークス(G2)に勝利すると、4歳春のヴィクトリアマイルでG1ウイナーの仲間入り。昨年は府中牝馬ステークス(G2)に勝ち、今回の勝利で4年連続の重賞制覇。息の長い活躍で、通算成績を23戦7勝とした。

 千代田牧場の飯田正剛社長は「今回は雪で順延になったり、この馬にとっては決して歓迎できない重馬場という条件下で牡馬を相手に57キロでの勝利。価値のある勝利だと思います」と喜びを表現し「私たちの想像を超えて強くなったと思います。これもここまで大事に使ってくれた厩舎や、本当に親身になって、この馬のよいところを引き出してくれるジョッキーのおかげです」と感謝の言葉をつなげた。

 こうして成績をなぞると、一見、順調に見えるホエールキャプチャも決して順風満帆な競走生活ではなかった。生涯1度のクラシックシーズンは不利の連続で惜敗続き。念願のG1タイトルを獲得したあとは故障に泣いたこともあった。そういったものを克服しての4年連続重賞勝利。そして、この勝利でクロフネ産駒としては歴代最多賞金獲得馬にもなった。「色々なものを乗り越えて頑張ってくれる馬には、感謝の気持ちでいっぱいです。生産馬の活躍馬は、牧場と牧場スタッフにとって何よりの励みになります」と飯田社長はいうものの、ホエールキャプチャの能力を考えれば悔しさも残るはず。

 「いつも言うことですが、この馬はエリザベス女王杯(G1)に勝ったタレンティドガールを英国に連れて行ったことからスタートしています。ワールドハヤブサのファミリーのためにも、この馬がやり残した夢は、子供たちに託したいと思います。今後はさらに強い馬たちの競馬になると思いますが、頑張って、そして無事に牧場へ帰ってきてほしいと思います」と願っている。