重賞ウィナーレポート

2014年01月26日 AJCC G2

2014年01月26日 中山競馬場 曇 良 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ヴェルデグリーン

プロフィール

生年月日
2008年03月26日 06歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:21戦7勝
総収得賞金
191,756,000円
ジャングルポケット
母 (母父)
レディーダービー  by  スペシャルウィーク
馬主
斎藤 光政
生産者
斉藤 安行 (新冠)
調教師
相沢 郁
騎手
田辺 裕信
  • 本馬の母レディーダービー
    本馬の母レディーダービー
  • 本馬の半妹(1歳、父タニノギムレット)
    本馬の半妹(1歳、父タニノギムレット)
  • 祖母でオークス馬のウメノファイバー
    祖母でオークス馬のウメノファイバー
  • 牧場の看板
    牧場の看板

 中山競馬場で行われた古馬重賞、アメリカジョッキークラブカップ(G2)は6歳馬ヴェルデグリーンが中団から抜け出し、自身2つ目の重賞タイトルを手にした。

 本馬の生産は新冠町の斉藤安行さん。斉藤さん家族とスタッフ1名の牧場で、昭和50年創業。過去には優駿牝馬オークス(G1)を制したウメノファイバーをはじめ、2007年のラジオNIKKEI杯2歳S(Jpn3)2着のサダムイダテン、生産馬による同日準メイン&メインレースVを本馬と共に成し遂げたタマブラックホールらを生産している。繁殖牝馬は7頭。

 自宅のテレビでレースを観戦していた斉藤安行さんは、明け6歳にして進化を続ける本馬の姿に、感心の思いでいる。「勝負所での脚色が良く、オールカマー(G2)の時と同じ感じだなと思いました。最後はサクラアルディートも迫っていましたので、ギリギリまで勝ち負けはわかりませんでしたが、先頭で駆け抜けてくれてホッとしました。田辺裕信騎手が言っていましたが、G1に出走したことが良い刺激になっているようです。以前の重賞勝ちは挑戦者の立場でしたが、今回は上位人気に推されての勝利。力は本物であることを示すことができ、また違った嬉しさがこみ上げています。」

 ジャングルポケット産駒の本馬は、母の父スペシャルウィーク、祖母はウメノファイバーというクラシック色の強い血統で、母レディーダービーの2番仔として生まれた。「牧場時代はバランスのとれた馬で、性格は素直。扱いやすかったですね。馬体のゆったりした部分はジャングルポケット、薄さはスペシャルウィーク、内に秘めた気の強さはウメノファイバーの遺伝ではないかと思います。1歳春まで牧場で育ち、その後は日高町の牧場で中期育成期間を過ごして、浦河町の吉澤ステーブルに移動しました。」と、デビュー前の姿を伝える。

 顔つきは本馬にそっくりな母レディーダービーは現役時代未勝利に終わったが、母としては6頭の仔を生み、重賞馬を送り出す素晴らしい成果を上げた。「ウメノファイバーに似ていて、負けん気のある馬ですね。丈夫なお母さんで、受胎も良いです。この春はジャングルポケットの仔を出産予定です。」と、紹介する。放牧地ではウメノファイバーと母仔で過ごすこともあるという。

 明け2歳には本馬の全妹(父ジャングルポケット)がいて、こちらはすでに育成牧場へと巣立った。明け1歳の半妹(父タニノギムレット)は同牧場で元気に冬を越している。「2歳の牝馬は芝向きの動きで、楽しみにしています。1歳の牝馬は少し小柄なタイプですね。順調に育っていますよ。」と、兄に続く活躍を期待している。

 年が明け、颯爽と重賞2勝目を飾った本馬。牧場が生んだ名牝であり、柱としてきた祖母の能力は、孫世代へも受け継がれた。最もレベルの高いとされている路線で邁進し、祖母と並んで大きな星を掴みたい。「昨年はG1に2回出走することができ、現地で応援する機会にも恵まれました。G1に出走すると、出走全馬のボールペンが売られるんですよね。私も買おうと思って並んでいたら、たまたま近くにいたお客さんが“私はヴェルデグリーンを買いたい”と話しているのが聞こえて、嬉しくなりましてね。ファンの方の声を聞けたことも、思い出に残っています。いざG1のファンファーレが鳴った時は、あの舞台に生産馬がいると思うと…感動しましたね。ウメノファイバーの血統を信じてきて、また開花させることができ、格別な思いです。これからも無事に走ってきて欲しいと思います。」