重賞ウィナーレポート

2014年02月09日 きさらぎ賞 G3

2014年02月09日 京都競馬場 晴 稍重 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:トーセンスターダム

プロフィール

生年月日
2011年03月14日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
129,753,000円
ディープインパクト
母 (母父)
アドマイヤキラメキ  by  エンドスウィープ(USA)
馬主
島川 隆哉
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
池江 泰寿
騎手
武 豊

 2勝馬同士の無敗対決が注目を集めた今年のきさらぎ賞(G3)。これまでの2戦で一度も後続の馬に影を踏ませた事が無かったバンドワゴンを、ゴール前でアタマ差捕らえたのが、同じく2戦無敗でこのレースに臨んできたトーセンスターダムだった。

 「能力は信じていましたが、それでも出来過ぎと言える結果です」とはノーザンファーム早来牧場で、トーセンスターダムの育成を手がけていた林宏樹厩舎長。林厩舎長は牧場だけでなく、時には栗東トレーニングセンターにも出かけて、トーセンスターダムの調教過程を見守る機会もあった。

 「牧場で調整していた頃は、他の馬たちと比較すると決して調教の動きは目立った方ではありませんでした。入厩後も厩舎スタッフの方とも話したことがありますが、もう少しトモに力が付いてくればと共通の意見が出ていました」(林厩舎長)

 トーセンスターダムは近親に天皇賞(秋)(G1)の勝ち馬トーセンジョーダン、そして京都新聞杯(G2)で日本レコードを樹立したトーセンホマレボシの近親馬となる。その血統背景、そして好馬体はセレクトセール2012の1歳セクションでも高く評価され、2億6,250万円(税込)という最高額で落札されている。

 「トーセンスターダムには、トーセンジョーダンやトーセンホマレボシと共通する乗り味の良さも感じていただけに、成長につれて更に良くなっていくとの思いはありました。それを期待しながら、再びトレセンに出向いてデビューを控えたトーセンスターダムの調教を見たのですが、トモが逞しくなっていて、調教の動きも格段に良くなっていたことに驚かされました。担当の方も急に良くなったと話していたように、やはり成長力のある血統なのでしょう」(林厩舎長)

 デビュー前の調教でも好時計を記録したトーセンスターダムは、1番人気で迎えられたメイクデビュー京都を優勝。続く京都2歳Sにも勝利してオープン入りを果たす。メイクデビューはクビ差、京都2歳Sはアタマ差と、はかったかのように前の馬を捕らえてきたトーセンスターダムだが、このきさらぎ賞(G3)もアタマ差の勝利。折り合いに問題のない面なども含めて、3歳牡馬屈指のレース巧者という気もしてくる。

 「折り合いの付くことは最大のセールスポイントだと思います。距離が伸びても何ら不安はありませんし、まだ上積みも望めると思うので、まずは無事にクラシック路線を歩んでもらいたいですね」(林厩舎長)

 陣営からはこの後、皐月賞(G1)へと直行するローテーションが発表された。勿論、最大目標となるのは、距離の不安も無く、折り合いの良さが最後の直線の末脚に生かされてきそうな日本ダービー(G1)となるのだろう。

 「島川オーナーにはお世話になっているだけに、ぜひともトーセンスターダムでクラシックのタイトルを授けたいです」という林厩舎長。セレクトセールから注目を集めた期待の良血馬は、その名の通りにスターの道を歩んでいきそうだ。