2013年12月22日 有馬記念 G1
優勝馬:オルフェーヴル
プロフィール
- 生年月日
- 2008年05月14日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:17戦10勝
- 総収得賞金
- 1,344,084,000円
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- (有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
- 調教師
- 池江 泰寿
- 騎手
- 池添 謙一
最高かつ爽快なラストランだった。2着につけた着差はなんと8馬身。ここで引退させるのが惜しいと思える程の強さを、オルフェーヴルは我々に見せてくれた。
「4コーナーの手前でいけるなと思いました。いい結果を出してくれることを期待していましたが、その期待以上のレースとなりました」とは、ラストランを見届けに中山競馬場まで出向いた白老ファームの石垣節雄さん。この日の中山競馬場には12万5千人ものファンが詰めかけたが、その半数となる約6万人が最終レースの後も競馬場に残り、引退式を見届けたということからも、どれだけオルフェーヴルがファンに愛されていたかが分かる。
「その時もまだ何かしでかすのではないかと思える程に気合いが入っていましたね(笑)。ゴールの後で騎手を振り落とすなど、やんちゃな面が目立つ馬ですが、これもレースの後でも余力が残っているからでしょう」(石垣さん)
何をするか分からない馬。それがオルフェーヴルの強さ以外の魅力でもあった。勝ったレースでは圧倒的な強さを見せながら、思い通りのレースができない時には凡走も見せることもあれば、デビュー戦の勝利から、スプリングS(G2)での重賞制覇に6戦を要したように、決して順風満帆に名馬の階段を駆け上がったわけでもなかった。
「ゴールまでドキドキさせてくれるということを含め、想像を超える結果を見せてくれるというのも、これまでの名馬たちと違ったオルフェーヴルの魅力と言えたのではないのでしょうか。そういう意味では今回の有馬記念(G1)もまた、オルフェーヴルらしいレースだったと言えそうです」(石垣さん)
引退式の後、競馬場を離れたオルフェーヴルは、ノーザンファーム天栄を経て、25日の午後に社台スタリオンステーションへと到着。種牡馬としての第一歩を踏み出した。
「白老ファームにとっても、そして自分にとっても、これだけの馬に巡り会えることはそうそう無いと思いますし、引退して時間が経ってから、改めてオルフェーヴルの凄さに気付かされるのかもしれません。だからこそ、オルフェーヴルに続く馬を送り出せるように牧場スタッフのみんなで努力していきたいですし、それがオルフェーヴルの産駒であれば嬉しいですね」(石垣さん)
ステイゴールド、オルフェーヴルと繋がってきた、白老ファームが送り出してきた名馬の系譜。我々を魅了するような未来の名馬もまた、この地から誕生してきそうだ。