重賞ウィナーレポート

2013年10月06日 京都大賞典 G2

2013年10月06日 京都競馬場 晴 良 芝 2400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ヒットザターゲット

プロフィール

生年月日
2008年03月06日 05歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:28戦8勝
総収得賞金
404,663,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
ラティール  by  タマモクロス
馬主
前田 晋二
生産者
ノースヒルズマネジメント (新冠)
調教師
加藤 敬二
騎手
北村 友一
  • ヒットザターゲットの母ラティール
    ヒットザターゲットの母ラティール
  • 18歳となった現在も元気に過ごしている
    18歳となった現在も元気に過ごしている
  • ヒットザターゲットの全弟・当歳(父キングカメハメハ)
    ヒットザターゲットの全弟・当歳(父キングカメハメハ)
  • 離乳後も順調に育っている
    離乳後も順調に育っている

 毎年豪華メンバーが揃うG2、京都大賞典(G2)は5歳馬ヒットザターゲットが11番人気の低評価を覆し、鮮やかな差し切り勝ちを決めた。破った相手はグランプリホースをはじめ、JPNサラブレッドランキング上位馬やG1で好走歴のある馬たち。天皇賞(秋)(G1)から始まる芝王道路線へ向け、その勢力図を揺るがすような熱い走りを見せた。

 本馬の生産は新冠町のノースヒルズ。昭和59年に「マエコウファーム」の名称で牧場を設立し、途中名称を変えて現在に至る。鳥取県の大山ヒルズに同牧場グループの育成拠点を持ち、オーナーブリーダーとして生産から育成を一貫して取り組んでいる。これまでにも多数の重賞馬を生産・育成し、今年は日本ダービー(G1)馬キズナの活躍により、7世代連続となる生産馬重賞Vを果たしている。

 同牧場ゼネラルマネージャーの福田洋志さんはレース当日、キズナの凱旋門賞(G1)出走のためロンシャン競馬場に出向いており、レースの様子は北海道の同牧場スタッフより伝え聞いたという。「京都競馬場へは大山ヒルズのスタッフが応援に駆けつけていました。そうそうたるメンバーを相手に、素晴らしい走りを見せてくれました。以前は内ラチに頼る面がありましたが、今回は外から伸びてきましたね。進境を感じさせる内容でした。」と、感想を語ってくれた。

 本馬は同牧場生産馬で、1998年のオークス(G1)4着の実績馬ラティールの5番目の仔として誕生した。福田さんは、「体のしっかりした馬で、ケガもなく順調に育ちました。馬体は当歳時から目立っていて、よく携わっていたスタッフは自信をみなぎらせていました。性格はラティールに似ていましたね。」と、当時を振り返る。

 真っ白な美貌を映すラティール今年、自身9番目となる仔を出産し、来季に向けて健在でいる。キングカメハメハを父に持つ当歳馬は、本馬の全弟となる。「ラティールは18歳となりましたが、元気に過ごしています。気性は穏やかで、手のかからない繁殖牝馬です。生まれた当歳馬は脚が長く、ヒットザターゲット同様、性格は母に似ていますね。」と、福田さんは紹介する。当歳馬は離乳を終え、かつてアーネストリーやキズナ、トランセンド、ビートブラックら先輩が幼少期を過ごした厩舎に入っている。

 4歳・5歳でG3を2勝し、ついぞG2の壁を突破した本馬。次なる狙いは当然 _ あの高らかなファンファーレのこだます舞台だ。福田さんは、「再びG1出走となれば、牧場からも応援に駆けつける予定です。年齢を重ねてなおも強さを増してきましたし、本領発揮できればチャンスはあると期待しています。」と、更なる快走に希望を膨らませる。遡ればニホンピロウイナー、タマモクロスと古馬となって栄冠を勝ち取った馬が並ぶ血統の持ち主。現役トップクラスのライバルに土をつけた豪脚は、偶然が成せる業ではない。研ぎ澄まされた大器は、この秋改めて頂上に照準を仕向ける。