2013年09月22日 オールカマー G2
優勝馬:ヴェルデグリーン
プロフィール
- 生年月日
- 2008年03月26日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:18戦6勝
- 総収得賞金
- 191,756,000円
- 馬主
- 斎藤 光政
- 生産者
- 斉藤 安行 (新冠)
- 調教師
- 相沢 郁
- 騎手
- 田辺 裕信
ゴールした瞬間から優勝を祝う電話が鳴りやまない。その後はお祝い花が続々と届きはじめ、生産者の斉藤安行さん、智子さん夫妻はあっという間にてんてこ舞いとなった。
“これは大変だ、すぐにお酒とオードブルを用意しないと”
生産馬のJRA重賞勝利はウメノファイバーで制した99年オークス(G1)以来、じつに14年ぶり。「9番人気だったし、まさか勝てるなんて思ってもいなかった」(智子さん)ということで、当日は競馬場に牧場から誰も行っておらず、祝勝会の準備も全くしていなかった。智子さんは右へ左へと忙しく動きながら、それでもだんだんと実感が沸いてきたといい、「ウメノファイバーの孫が重賞を勝ってくれるなんて、生産者としてこんなに嬉しいことはない」と喜んだ。また、一番嬉しかったのは、町内の牧場関係者がまるで自分のことのように喜んでくれたことだ。
「『新冠からこうして重賞を勝つ馬が出たことが、私たちにとっても励みになるんだよ』と言ってくれて。もう、今日はなんて良い日だろうって、幸せな気持ちになりました」
じつはオールカマー(G2)当日の第10競走には同厩舎、同生産のタマブラックホールが出走しており、見事に勝利。2レース連続優勝の快挙を達成していたのである。
「レース前に相沢先生から『2頭ともとても状態が良いから競馬場においで』と連絡をもらっていたんです。だけどヴェルデグリーンは前走(新潟大賞典(G3))が10着で、タマブラックホールも前走が1番人気で8着でしたからね。主人も『行って負けたら残念だし、疲れるからやめようか』って。惜しいことをしました」
次走予定の天皇賞(秋)(G1)では、安行さんが競馬場へ行き、智子さんはもしも勝った時のために留守番役を務める予定だ。
取材当日はレディーダービー親子とウメノファイバー親子が同じ放牧地に離されており、3世代4ショットが実現した。レディーダービーは父ジャングルポケットの産駒を受胎しており、来春にはヴェルデグリーンの全弟か全妹が誕生する予定という。
「いま一緒にいる当歳は父タニノギムレットの女の子です。現1歳は父ジャングルポケットなので、ヴェルデグリーンの全妹。レディーダービーの子は皆、反応が良くて、動きが俊敏です。それがあの直線のキレ味に繋がっているのかもしれませんね」(智子さん)
天皇賞(秋)(G1)が行われる東京競馬場は父と祖母がともにビッグタイトルを獲得した舞台。直線一気の末脚で並み居る強豪たちに挑む。