重賞ウィナーレポート

2013年08月25日 新潟2歳S G3

2013年08月25日 新潟競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ハープスター

プロフィール

生年月日
2011年04月24日 02歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
360,248,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ヒストリックスター  by  ファルブラヴ(IRE)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
松田 博資
騎手
川田 将雅

 後々、語り継ぎたくなるようなレースだった。今年の新潟2歳ステークス(G3)。単勝1番人気の支持を集めたハープスターだが、最後の直線では最後方の18番手。絶望的にも見えた位置取りにも見えたが、そこから上がり3ハロンで32秒5という驚異的な末脚を爆発させる。あっという間に17頭を抜き去るも、加速は止まるところを知らず、そのまま2着馬に3馬身差の差を付けてのゴール。数年後にハープスターを映像で振り返った時、間違いなくこの新潟2歳S(G3)はセンセーショナルなレースとして取り上げられるだろう。

 「自信を持ってレースを見守ることができました。牧場で調教をしていた頃から注文の付けようがなく、いい状態で送り出すことができたことや、メイクデビューでも期待通りの結果を残してくれてもいましたし、更に上積みがあって、このレースに臨めるとも思っていました」とはノーザンファーム早来牧場の日下和博厩舎長。「自信を持ってレースを見守ることができた」とは話していたが、それでもあのレース内容には衝撃を受けたとも話す。

 「新潟競馬場の外回りコースが、ハープスターの脚質にあっていたとも言えますが、それでも最後方からあれだけの脚を使える2歳馬は見たことが無かったですし、その意味では、自分たちの想像以上の馬なのかも知れません」(日下厩舎長)

 ハープスターの祖母は2冠牝馬のベガ。日下厩舎長自身、ベガの育成時には幾度となく背中に跨ってきた思い入れの強い血統であり、ハープスターが自らの育成厩舎にやってきた頃から、「牝系を伸ばせるような活躍を残したい」という気持ちは強かった。

 「まだ不器用な面もありますが、それでもメイクデビューで得た経験を今回のレースで生かしてくれたように、賢さも持ち合わせた馬だと思います。月並みな言葉かもしれませんが、先々が楽しみであることは間違いありません」(日下厩舎長)

 ハープスターの活躍は、祖母であるベガにも輝きをもたらしてくれている。ちなみに馬名の由来はベガの別名でもある「the Harp Star」。ベガの2冠制覇から21年目となる来年、我々はハープスターにベガの再来を見ることになるのかもしれない。