2013年04月27日 青葉賞 G2
優勝馬:ヒラボクディープ
プロフィール
- 生年月日
- 2010年04月26日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:5戦3勝
- 総収得賞金
- 107,944,000円
- 母 (母父)
- キャットアリ(USA) by Storm Cat(USA)
- 馬主
- (株) 平田牧場
- 生産者
- 下河辺牧場 (門別)
- 調教師
- 国枝 栄
- 騎手
- 蛯名 正義
シンボリクリスエス、ゼンノロブロイ、フェノーメノといったG1馬を輩出している出世レース・青葉賞(G2)は、関東馬ヒラボクディープが好位から鋭く伸び、最後は叩き合いを制して日本ダービー(G1)への切符を掴んだ。
本馬の生産は日高町の下河辺牧場。近年では、桜の女王に輝いたアユサン、短距離戦線を沸かせているダッシャーゴーゴー、京都金杯(G3)を制したダノンシャークらを生産している。長らく重賞馬を出し続けている名門牧場として有名で、「競馬・馬産地の未来のために」、「競馬ファンのために」と、競走馬生産・育成牧場就業支援「BOKUJOB(ボクジョブ)」や、競馬テレビ番組・CMのプロジェクトにも手厚く協力に応じている。
「優勝できて嬉しいです。道中の手応えから、これなら優先出走権のある着順に来られるだろうと思いました。トビのきれいな馬で、広いコースも合っているのでしょう。のびのび走ることができて、持ち味が生かされましたね。」と、喜びを語るのは、同牧場の下河辺行雄さん。陣営は前走・水仙賞(3歳500万)を制した後、皐月賞トライアルには向かわず、青葉賞(G2)一本に照準を合わせた。直線で見せた決め脚もさることながら、早々に下した決断のキレも見事だった。
本馬はセレクトセール(当歳)出身馬で、2,625万円(税込)で落札された。当歳から1歳秋までを牧場で過ごし、小柄だった父ディープインパクト以上に、大きな馬体を成していった。
「バランスが良く、柔らかい馬でした。この馬の特徴から、体がしっかりしてくるまでは、時間をかけて成長を促すことが大事だと考え、じっくり育てました。」と、下河辺さんは牧場時代を振り返る。
母はアメリカ産のキャットアリ。同牧場では前々からストームキャット肌の繁殖牝馬に狙いをつけており、キャットアリはそうした戦略の中で導入した一頭だった。近親にはField Cat、ヘネシー、Pearl City、Editor's Note、Hold That TigerといったG1馬が並び、母系は奥深い。米国のせりで購入した後、日本では4頭の仔を出産している。下河辺さんは、「ストームキャットは天性のスピードがあり、活躍した産駒も多彩。これほど柔軟性のある種牡馬、血統も少ないですし、長らく注目しています。キャットアリは血統も馬格も素晴らしく、繁殖牝馬としては配合種牡馬の良さを引き出しています。」と、伝える。本馬の半弟となる2歳馬(牡、父タイキシャトル)はJRAブリーズアップセールに上場され、3,045万円(税込)の高値で取引された。今年は父マンハッタンカフェの牝馬が無事生まれている。今後の繁栄にも目が離せない。
もう一度、東京・芝2400mを走ることができる。それも3歳の頂点を決めるレースで。一生に一度の大舞台に生産馬が走る喜びは、牧場のムードを盛り上げる。「日本ダービー(G1)に向けては、良い状態で臨んで欲しいと願うばかりです。クラシックに生産馬を出せることは、本当に嬉しいことですね。これからも無事に、競走生活を送って欲しいと思います。」と、下河辺さんは優しい眼差し。出産・種付けの最盛期の中、牧場を巣立ったアユサン、ヒラボクディープが、ともに勝ってクラシック2冠目へ。目下の勢い十分に、朗報は度重なっていきそうだ。