重賞ウィナーレポート

2013年03月31日 産経大阪杯 G2

2013年03月31日 阪神競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:オルフェーヴル

プロフィール

生年月日
2008年05月14日 05歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:16戦9勝
総収得賞金
1,344,084,000円
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
(有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
調教師
池江 泰寿
騎手
池添 謙一

 横綱相撲と呼ぶに相応しいレースだった。産経大阪杯(G2)に出走したオルフェーヴルは、折り合いの不安を全く感じさせることなく、最後の直線で外に進路を向けるとそこからあっという間に抜けだし、後続の追撃も振り切って、悠々とゴール板を駆け抜けた。

 「結果は完勝でしたが、ゴールの瞬間までずっとどきどきしていたというのが、偽らざる気持ちでした」とホッとした表情を浮かべるのは、白老ファームの橋本裕充場長。

 「能力の高さは信じていましたが、ジャパンカップ(G1)以来のレースということで、昨年の勢いを維持できているのか。また、去年の阪神大賞典(G2)のように自分を見失うレースをしないかなど、レース前は期待と同じぐらいに不安もありました」(橋本場長)

 競走成績に表れているその桁外れな能力だけでなく、阪神大賞典(G2)で見せた荒々しさもまた、オルフェーヴルの魅力の1つと言えるのだが、それだけに大人のレースを見せたこの産経大阪杯(G2)は、また新たな魅力を開花させたとも言える。

 「勝つとしたら派手な勝ち方になるのではと思っていましたが、折り合いもついて、ジョッキーの指示通りに反応するなど、着差以上の強いレースを見せてくれたと思います」(橋本場長)

 現在の日本競馬界はオルフェーヴル、ジェンティルドンナ、ゴールドシップの3頭が軸となっているが、春のG1シーズンを前に、3頭が続々と今年の緒戦を迎えている。オルフェーヴルが産経大阪杯(G2)を優勝した一方でゴールドシップも阪神大賞典(G2)を優勝。ジェンティルドンナも、ドバイシーマクラシック(G1)では世界の強豪を相手に、勝ち馬と差のない2着に入着してみせた。

 「3強と呼ばれている他の2頭とは、今後、直接対決することも出てくるのでしょうが、そこで勝利して、誰もが認める日本一の馬となってもらいたいです」(橋本場長)

 思えば昨年の今頃は阪神大賞典(G2)、そして天皇賞(春)(G1)での敗戦が重なり、一度、日本最強馬の座から追われた感もあるオルフェーヴルだが、宝塚記念(G1)でその能力の高さを証明し、競馬ファンの声援を受けて臨んだフランス遠征でもフォワ賞(G2)で優勝、そして凱旋門賞(G1)でも、ゴール前で一度、先頭に立っての2着と、日本産馬のレベルを世界に知らしめた。この産経大阪杯(G2)で凱旋門賞(G1)のリベンジに向けて、最高のスタートを切ったという見方もあるだろうが、そのためにはまだ勝たなくてはいけないレースがある。

 次走はゴールドシップも出走が予定されている天皇賞(春)(G1)、そしてジェンティルドンナが出走を予定している宝塚記念(G1)とのプランも出ている。オルフェーヴルにはこれらのレースでライバルを退けるだけでなく確実に勝利を重ね、押しも押されもしない日本最強馬となって、ロンシャンに残した忘れ物を取りに行ってもらおう。