2013年03月17日 阪神大賞典 G2
優勝馬:ゴールドシップ
プロフィール
- 生年月日
- 2009年03月06日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/芦毛
- 戦績
- 国内:11戦8勝
- 総収得賞金
- 1,397,767,000円
- 馬主
- 小林 英一
- 生産者
- 出口牧場 (門別)
- 調教師
- 須貝 尚介
- 騎手
- 内田 博幸
昨年。「もっとも速い馬が勝つ」と言われる皐月賞(G1)、「もっとも強い馬が勝つ」という菊花賞(G1)。そして実力日本一を決める有馬記念(G1)に優勝したゴールドシップにとっては、絶対に負けられない戦いだった。単勝オッズは昨年のオルフェーヴルと同じ110円だったが、その支持率は昨年の同馬を上回り、阪神大賞典(G2)史上最高となる78.0%。ゴールドシップを包む空気は異様なものだったに違いない。
競馬場に駆け付けた出口俊一さんもレース前は「たくさんの方に支持いただいて、とてもうれしかったですが、生産者としてはもし負けてしまったらたくさんの方に迷惑をかけてしまうと思うと、胃が痛む思いでした」という気持ちだったそうだ。
3000mの長距離戦。パドックを落ち着いて周回し、いつもよりもおとなしく本馬場へと移動するゴールドシップを見て「普通に見れば大人になって精神的に落ち着きが出たということなんでしょうが、元気がないんじゃないかと心配になってしまいました」というのは生産者ならではの“親心”だろう。
9頭立てで行われたレースは逃げるマカニビスティーが飛ばして縦長の展開。いつもように後方待機で前半を終えたゴールドシップは、向こう正面から徐々に加速して1頭、また1頭と交わすロングスパート。4コーナーでは先頭を射程距離にとらえるとあっさりと突き抜けて、心配そうにレースを見守る生産者に6つめの重賞タイトルを届けた。
「それでも、完全にゴールするまではハラハラでした。レースを終えた今では自分自身が落ち着きましたので安心してVTRを見ることができますし、大目標に向けてよいステップになったと思いますが、生産馬のレースを見る生産者なんてそんなものです。嬉しいというよりもほっとしたというのが正直な気持ちです」とレースをふりかえった。
さて、これで春の最大目標である天皇賞(春)(G1)へむけて視界が広がった。「強い馬になってくれたと、馬に感謝です。あと、私ができることは無事にと願うだけです」と応援団を自負している。
「こんな素晴らしい馬に巡り合ったことは、生産者として幸せの一言につきます。この馬が走るたびに、長くお付き合いいただいているオーナーに感謝する気持ちにさせてもらっています。そんなオーナーに恩返しをしてくれている馬にも感謝です」と言い、「もっと強い馬との対戦が待っています。それでも、とにかく、無事に。それだけを願いたい」というところにも生産者ならではの心情が浮き彫りにされている。