重賞ウィナーレポート

2013年03月03日 弥生賞 G2

2013年03月03日 中山競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:カミノタサハラ

プロフィール

生年月日
2010年02月14日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:4戦3勝
総収得賞金
85,728,000円
ディープインパクト
母 (母父)
クロウキャニオン  by  フレンチデピュティ(USA)
馬主
金子真人ホールディングス (株)
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
国枝 栄
騎手
内田 博幸

 カミノタサハラの育成を手がけたノーザンファーム空港牧場の犬伏健太調教主任は、母クロウキャニオンの1番子となるキラウエア(牡6)、そして全兄でレパードS(G3)の勝ち馬であるボレアス(牡5)の育成も手がけてきていた。

 「母のクロウキャニオンがダートで活躍を見せていたこともありますが、キラウエアは馬体、力強い調教の動きの印象を含めて、ダートが合っているのではと思っていたところ、その通りのレースを見せていてくれています。一方、ボレアスはディープインパクトの初年度産駒ながら、すらっとして薄い作りをしていた他の産駒とは違って、コンパクトでコロンとした馬体をしていました。乗った感じも素軽く、芝向きかなと思っていたのですが、デビューしてみるとダートで高い適性を示してくれました」(犬伏調教主任)

 しかし、同じ空港牧場で育成された全兄のマウントシャスタ(牡4)が、毎日杯(G3)で2着となるなど芝で活躍。この血統が芝とダートの双方に適性を示したタイミングで育成厩舎にやってきたのがカミノタサハラだった。

 「現在、500㎏を超える馬体重が示しているとおりの大型馬であり、芝向きの軽い動きをしているとは思えませんでした。ただ、動きの良さはこの時育成を任されていた馬たちの中でも間違いなくトップクラスであり、芝、ダート関係なく、一流馬に上り詰めてくれるものと信じていました」(犬伏調教主任)

 調教も順調に進み、札幌開催でのデビューも目されていたものの、脚元に疲労が見られたことで入厩を延期。いったん楽をさせることとなったが、すぐに元の状態に戻り、以後は秋入厩を目指して調教ペースを上げていった。

 秋の東京開催で行われたメイクデビューを勝利すると、続いてはオープンのホープフルSに出走。3着に敗れたものの、2戦連続して上がり3ハロンのタイムはメンバー中最速を記録する。そしてデビュー3戦目となる3歳500万下でも、上がり3ハロンで33秒1という切れ味を見せつける。

 「レースを使う度にレベルアップしているなと感じたのが、この3歳500万下でした。末脚で勝負するタイプだけに、直線の短い中山コースは不向きなのではと思いながら弥生賞(G2)は見ていたのですが、鞍上を務めてくださった内田博幸騎手が、この馬の能力を引き出してくれました」(犬伏調教主任)

 しかも、この弥生賞(G2)では1、2人気に支持されていたエピファネイア(牡3)、コディーノ(牡3)に先着。2頭ともカミノタサハラと同じくノーザンファームの生産馬であり、共に賞金面で皐月賞(G1)出走を確実にしているだけに、牧場関係者としてはこの上ない援軍を皐月賞(G1)へと送り出したということにもなりそうだ。

 「皐月賞(G1)と同条件となる弥生賞(G2)を勝利したことで、本番でも期待は高まります。またデビュー戦、そして500万下で上がり最速を記録した末脚が、東京競馬場の2400mでどれほど切れるのかも楽しみでなりません。そのためにもカミノタサハラには皐月賞(G1)で、更にレベルアップした姿を見せてもらいたいです」(犬伏調教主任)