2013年01月20日 AJCC G2
優勝馬:ダノンバラード
プロフィール
- 生年月日
- 2008年02月19日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:17戦5勝
- 総収得賞金
- 329,076,000円
- 母 (母父)
- レディバラード(IRE) by Unbridled(USA)
- 馬主
- (株) ダノックス
- 生産者
- ケイアイファーム (三石)
- 調教師
- 池江 泰寿
- 騎手
- F.ベリー
豪華メンバーによるグランプリから1か月。実績馬が休養に入る正月競馬ながら、アメリカジョッキークラブカップ(G2)優勝馬からは、後のG1馬が何頭も輩出している。さかのぼれば、90年代の天皇賞馬サクラチトセオー、メジロブライト。2000年代ではマツリダゴッホ、トーセンジョーダン、ルーラーシップが、このレースを勝ってその年にG1制覇を成し遂げた。今年、その出世レースを制したのは、5歳牡馬ダノンバラード。一昨年の皐月賞(G1)3着馬が狼煙を上げた。
本馬の生産は新ひだか町三石にあるケイアイファーム。ロードサラブレッドオーナーズの生産・育成拠点としても知られ、昨年は生産・育成馬で同クラブ所有のロードカナロアが香港スプリント(G1)、スプリンターズS(G1)を制し、JRA賞/最優秀短距離馬に輝いた。
「ラジオNIKKEI杯2歳S(G3)を制してからは、重賞で惜しい競馬が続いていましたので、待望の重賞2勝目ですね。」と、レースの感想を語ってくれたのは、同牧場ゼネラルマネージャーの中村智幸さん。3歳、4歳時に敗れた重賞での着差は0.0、0.2、0.4秒差と僅かなレースもあり、悔しい思いを募らせていた矢先のG2制覇となった。
牧場時代の本馬は、その世代で1、2を争う目立った存在だった。「とにかく綺麗で、品がありました。体型のバランスが良く、見栄えがしましたね。池江調教師からも、高い評価を受けていました。」と、中村さんは当時を振り返る。幼少期はロードカナロアと一緒の放牧地で、元気いっぱいに育ったという。
母レディバラードは現役時代7勝。ダートのマイル~中距離を得意とし、交流重賞のクイーン賞(G3)、TCK女王盃(G3)を制した。3代母BalldeはDevil's Bag(‘83年エクリプス賞最優秀2歳牡馬、タイキシャトルの父)、Saint Ballado(‘05年度北米リーディングサイアー)、Glorious Song (‘80年加国・ソヴリン賞年度代表馬、Singspiel、グランドオペラ、Rahyの母)を送り出した名牝で、ブラックタイプはこの上なく濃い。
「母レディバラードは元気に繁殖生活を送っています。体高があり、丈夫な馬です。気性も素直で、扱いやすいですね。現在はディープインパクトを受胎しています。」と、中村さんは近況を伝える。これまで8頭の仔を産んでおり、同牧場には本馬の弟となる2歳(牡、父マンハッタンカフェ)、1歳(牡、父ディープインパクト)がいる。中村さんは、「2歳の半弟は、ロードサラブレッドオーナーズの募集馬で、栗東・角居勝彦厩舎に入厩します。今までのレディバラードの仔では最も大きいですね。調教は順調ですよ。1歳の全弟は、ダノンバラード同様に綺麗な馬です。こちらも高い素質を感じさせています。」と、紹介する。
また、同牧場には本馬の半姉にあたるレディアーティスト(牝9歳、父フレンチデピュティ)が里帰りしており、レディバラードの後継牝馬として、さっそく3頭の仔を産んでいる。初仔のロードクルセイダー(牡3歳、父フジキセキ)は現在2連勝中で、出世を予感させている。「母同様に体高があって、仔出しも良いですね。サンデー系と配合できる血統背景も強みです。」と、中村さん。現在はキングカメハメハを受胎しており、レディバラードの隣りの放牧地で過ごしている。
惜敗にピリオドを打ち、今年初戦を勝利で飾った本馬。2年の年月を経て、G1再挑戦の日も近いだろう。「賞金を加算できたことで、ローテーションを組みやすくなりましたね。今後も無事に競走生活を続けて欲しいです。」と、中村さんはエールを送る。母が重賞を制したのはちょうど4歳から5歳にかけての時期。その栄光と重なるように、弾みの春となりそうだ。