重賞ウィナーレポート

2013年01月05日 京都金杯 G3

2013年01月05日 京都競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダノンシャーク

プロフィール

生年月日
2008年03月09日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:19戦5勝
総収得賞金
486,778,000円
ディープインパクト
母 (母父)
カーラパワー(GB)  by  Caerleon(USA)
馬主
(株) ダノックス
生産者
下河辺牧場 (門別)
調教師
大久保 龍志
騎手
C.ルメール
  • 母カーラパワー
    母カーラパワー
  • 温和で人懐っこい
    温和で人懐っこい
  • 牧場看板
    牧場看板
  • 看板犬マックス(五代目)
    看板犬マックス(五代目)

 一年の計は、金杯にあり。

 競馬ファンならこの一年を占う意味でも絶対に勝ちたいこのレース、生産牧場も同じ気持ちだ。

 京都のマイル戦、京都金杯(G3)を制したのは昨年の同レース2着馬ダノンシャーク。1番人気に応えて重賞初勝利を飾った。

 ダノンシャークを生産したのは日高町の下河辺牧場。これまで数々の重賞勝ち馬を送り出して来た名門牧場だが、意外なことに昨年は重賞未勝利だった。

 繁殖部門を担当する下河辺行雄さんにお話を伺うと「去年はダノンシャークを筆頭にダッシャーゴーゴー、レオンビスティーが重賞に挑戦して2着が5回。歯がゆい思いをしました。それだけに今回の勝利は本当に嬉しい」と満面の笑みを浮かべた。

 レース当日は育成部門を担当している弟の隆行さんが現地へ向かい、行雄さんは自宅でテレビ観戦。「前走マイルCS (G1)では直線で不利を受けたこともあって力を出し切れませんでした。状態は引き続き良いと調教師からも聞いていましたし、人気に応えてくれるだろうと。理想的なレース運びで突き抜けてくれて、やっと馬も鬱憤が晴らせたんじゃないかな」と笑った。

 本馬の母、カーラパワーは英国産。競走馬を引退したばかりのカーラパワーをせりで購入すると、当時愛国の牧場で働いていた隆行さんが育成に携わっていたシンダーを種付けし、日本へ渡った。ダノンシャークは5番仔になり、ディープインパクトの初年度産駒でもある。

  「カーラパワーは小柄な馬で、最初は大きくなりそうな種馬を選んで配合していました。産駒はすべて勝ち上がってますし、実績があったのでディープインパクトを付けてみようと思ったんです」と行雄さん。生まれた子馬はやはり小柄だったが、ゴム毬のように柔らかく、放牧地を跳ね回る姿は今でも目に焼き付いているそうだ。

 「この馬は走る」自信を深めた行雄さんはセレクトセール・サラブレッド当歳市場への上場を決め、3150万円(税込)で落札された。

 2歳の10月 にデビュー。クラシックを意識した王道パターンだったが、初勝利まで4戦を要した。「父ディープインパクト同様に蹄底が薄く、思うように調教が進められなかったんです。“走る馬の証”ではあるんですが、若馬には厳しかったと思います。年齢と共にその問題もクリアできるようになり、今が充実期ですね。重賞を勝つと牧場の士気も上がりますし、これからも頑張って欲しいです」とエールを送る。

 春の大目標は当然安田記念(G1)となるダノンシャーク。故郷が歓喜にわく光景が目に浮かぶようだ。