2012年12月23日 有馬記念 G1
優勝馬:ゴールドシップ
プロフィール
- 生年月日
- 2009年03月06日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/芦毛
- 戦績
- 国内:10戦7勝
- 総収得賞金
- 1,397,767,000円
- 馬主
- 小林 英一
- 生産者
- 出口牧場 (門別)
- 調教師
- 須貝 尚介
- 騎手
- 内田 博幸
ファン投票1位を獲得したオルフェーヴルが出走を回避したものの、天皇賞(春)(G1)の勝ち馬ビートブラック、Qエリザベス二世C (G1)を制したルーラーシップ、天皇賞(秋)(G1)の勝ち馬エイシンフラッシュと、出走馬16頭中G1馬7頭という暮れのグランプリらしい豪華メンバーが顔を揃えた。
1番人気に推されたのは、皐月賞(G1)、菊花賞(G1)を制し、二冠を獲得したゴールドシップ。現地へ応援に行っていた出口俊一社長は「有馬記念(G1)に出れるだけでも凄いこと。1番人気になっていましたが、さすがにそんな簡単なことではないと思っていましたから、プレッシャーはさほど感じていませんでした」と振り返る。
相手は歴戦の古馬たち。パドックではどの馬も立派に、状態も良さそうに映った。掲示板、いや、3着くらいに入ってくれれば…という思いを胸にレースを見守った。
「いつもより位置取りが後ろで、3コーナー手前からグングン上がって行く姿は見えましたが、届くか、間に合うかとハラハラし通しでした。先頭でゴールを駆け抜けたのを見届けた後は感無量。あまり記憶がありません」と笑う。そして「関係者全員の運と縁の上にあった勝利だと思います。一人でも欠けてしまったら成しえなかった勝利」と力を込めた。
その頃、牧場に残りテレビで応援していた朋子夫人、弟の悟さんの元には三輪茂日高町長をはじめたくさんの来客が祝福に訪れていた。日高町産馬の有馬記念制覇は第36回のダイユウサク以来実に21年振り。町内の牧場関係者にとっても希望の光となった。
殊勲の母となったポイントフラッグに今年産駒がいないのは残念だが、明け2歳にゴールドシップの全弟がおり、兄と同じ育成場で順調に調教を積んでいる。「弟は兄とは毛色もタイプも違い、父ステイゴールドに良く似ています。ゴールドシップが大柄でモサっとしていたのに対して、小柄でピリっとしている感じ。どんな競走馬になるのか今から楽しみなんですよ」と話してくれた。
ゴールドシップの2012年は共同通信杯(G3)の勝利ではじまり、有馬記念(G1)まで6戦5勝と怒濤のように過ぎ去った。この1年、ずっと見守って来た出口社長に愛馬がどのように変化したか訪ねると「レースが終わって、上がって来た時の顔付きが優しくなったような気がします。馬自身余裕が出て来たんじゃないかな。あとは顔が白くなって流星が見えなくなって来たくらい」と笑った。
「1年、本当に早かったです。嬉しいことがあると早く感じるんですね。来年も怪我なく無事に過ごして欲しいです」と出口社長。ゴールドシップの航海はまだはじまったばかりだ。