2012年11月05日 ローレル賞(GDJ)
優勝馬:デイジーギャル
プロフィール
- 生年月日
- 2010年04月01日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:5戦3勝
- 総収得賞金
- 31,070,000円
- 父
- ブラックタイド
- 母 (母父)
- オオシマセリーヌ by トワイニング(USA)
- 馬主
- 小島 郁雄
- 生産者
- 大島牧場 (荻伏)
- 調教師
- 宮浦 正行
- 騎手
- 真島 大輔
JBCデーの川崎競馬場・最終レースに『グランダム・ジャパン』2歳シーズンの第3戦「ローレル賞」が行われた。北海道から「ジュニアグランプリ(盛岡)」で1・2着したセラミックガールとメロディアス、笠松からも『グランダム・ジャパン』2歳シーズンの初戦「園田プリンセスC(園田)」を優勝したカツゲキドラマが参戦し、14頭の若駒による高レベルな戦いとなったが、このレースを制したのは12番人気のデイジーギャル。好スタートからハナを奪うと、最後の直線に入ってもしぶとく粘り込み、猛追してくるケンブリッジナイスをクビ差押さえて初重賞制覇を成し遂げた。
デイジーギャルの生まれ故郷は、浦河町東栄の大島牧場。過去の生産馬には1974年日本ダービー馬コーネルランサーの名前もある、れっきとしたダービー馬生産牧場だ。他にも、スプリンターズS(G1)優勝馬カルストンライトオや、ダート重賞3勝馬マチカネワラウカドなども当牧場で産声をあげており、長きに渡って活躍馬を送り出し続けている。
デイジーギャルの生産者であり馬主でもある小島郁雄さんは、「先行できればしぶといとは思っていましたが、真島大輔騎手がその持ち味を存分に引き出してくれましたね。最後は詰め寄られましたが、よく辛抱してくれました。スピードに長けた馬なので、もしかしたら短距離がベストなのかもしれませんが、マイルまで踏ん張ってくれたので、先々の楽しみが膨らみます」と、愛馬の見事な逃げ切り勝ちを振り返る。
デイジーギャルは、父ブラックタイド、母オオシマセリーヌ(その父トワイニング)という血統。大島牧場がオーナーブリーダーとして大切につないできた牝系の母に、種牡馬初年度となるディープインパクトの全兄を配合して2010年4月に誕生した。「母馬はとにかく気の強い馬なのですが、生まれてきたデイジーギャルは性格もおとなしく、優れた体型をしていました。狙っていたとおり、ブラックタイドは仔出しが良かったです」と牧場にいた頃のデイジーギャルを思い起こしてくれた小島さん。1歳秋からは隣接するヒダカシーサイドファームで育成され、馬運車で何度もBTCに運んで、坂路やダートコースでみっちり鍛えたそうだ。
「乗りやすくて賢い馬でした。BTCへの往復で輸送にも慣れたでしょうし、右回りも左回りも十分乗り込んでから厩舎へ送り出しました」と、育成の担当者も自信を覗かせる。
デイジーギャルの兄2頭はJRAの現役馬。特に1歳上のナガラオリオンはダート競馬で4勝を挙げてオープン入りする活躍を見せている。そして、昨年は父にスタチューオブリバティを持つ妹が、今年も父にメイショウボーラーを持つ弟が誕生。現在、母オオシマセリーヌのお腹には、父ナカヤマフェスタの仔が宿っているそうだ。「1歳は、デイジーギャルとタイプが違って幅がある体型をしています。ただ調教では、姉同様にかなりのスピードを感じさせていますね。当歳は形の良い馬です。母に似て気が強いので、それがレースで勝負根性や闘争心に結びついてくれればと思っています」と期待をかける。
ここのところ大島牧場の生産馬は好調が続いており、現3歳世代はJRAデビューした8頭中6頭が勝ち上がり、デイジーギャルと同じ現2歳世代は、JRAで早くも2頭の勝ち馬が誕生している。「馬が亡くなったりケガをしたりして、生産頭数が少なかった年が今の3歳と2歳の世代なんです。本当に大変だった年に生まれた馬たちが、助けてくれています」と、愛馬たちに感謝する小島さん。
「ローレル賞の後は、東京2歳優駿牝馬に絞って調整してもらっています。今後も一戦一戦、無事に走って欲しいですね」と、大舞台へ臨むデイジーギャルへも温かいエールを送る。大晦日の『グランダム・ジャパン』2歳シーズン最終戦で、再びのビッグプレゼントが生産者へ届けられるか。今年の悪いニュースをすべて忘れさせてくれるような、気持ちの良い逃走劇で1年を締めくくって欲しいものだ。