2012年10月14日 秋華賞 G1
優勝馬:ジェンティルドンナ
プロフィール
- 生年月日
- 2009年02月20日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:8戦6勝
- 総収得賞金
- 1,326,210,000円
- 母 (母父)
- ドナブリーニ(GB) by Bertolini(USA)
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 石坂 正
- 騎手
- 岩田 康誠
桜花賞(G1)では半馬身差、オークス(G1)では5馬身差と、同世代の牝馬を相手に力の違いを見せつけて、二冠牝馬となったジェンティルドンナ。前哨戦でもあるローズS(G2)の勝ち方からしても、秋華賞(G1)では2着馬にどれほどの着差を付けるのかとも思われたが、写真判定にもつれ込む際どいレースの結果は、僅か7㎝という三冠レースでは最小の着差ともなった。
「それでも直線に向いた時には、無理なのではという位置から追い込んできたわけですし、着差は開かなかったとはいえ改めてレースの映像を見てみると、ジェンティルドンナの強さと勝負根性に驚かされるばかりです」(伊藤さん)とはノーザンファーム空港牧場で、日本競馬史上4頭目の三冠牝馬を手がけた伊藤賢厩舎長。秋華賞(G1)当日は京都競馬場まで応援に出かけて歓喜の瞬間を味わったものの、帰りの飛行機の関係で、口取りに参加した後は、表彰式に参加する間もなく、牧場に戻ってきたとも教えてくれる。
牝馬三冠最初のレースである桜花賞(G1)を勝った時、伊藤さんからは、「育成を手がけていた頃からオークス向きの馬だと思っていたので、二冠は充分に狙えるはず」との言葉を聞いていた。続くオークス(G1)でその言葉が現実となった後、そしてローズS(G2)の後にも、「成長力がありますし、マイルからクラシックまで勝ち鞍があるように、距離の融通は間違いなくきくはず」とも話していたが、改めてそれが現実となったことは、その先見性に感銘せざるを得ない。
「今から振り返っても、このレースまで青写真通りに進んでくれたと思います。決して2歳時は全てが順調に来られたとは思いませんが、それでも納得のいく状態で厩舎に送り出せましたし、そこで管理をしてくださった石坂先生と厩舎スタッフの皆さん、そしてこの夏の調整だけでなく、厩舎との行き来をスムーズに運んでくれたノーザンファームしがらきのスタッフの力と全ての結集が、これだけの快挙に繋がったのだと思います」(伊藤さん)
このレースの後、陣営からはジャパンカップ(G1)への参戦が表明されたが、実は同じレースに出走する昨年の牡馬三冠馬で、凱旋門賞(G1)でも2着入着を果たしたオルフェーヴル(牡4・池江)とは、道路を挟んで隣同士の厩舎という関係性がある。
「日本だけでなく、世界からも一線級の馬が揃うレースとなるわけですが、自分としては充分に通用すると思っています。何よりも隣の厩舎にいたオルフェーヴルと一緒にレースができるというのは、本当に楽しみですし、ノーザンファーム空港牧場のスタッフとしても嬉しいことですよね」(伊藤さん)
このジャパンカップ(G1)で、ジェンティルドンナが勝ち鞍をあげるようだと、今後は世界へと羽ばたくような活躍も期待される。
「それが叶ったら夢のような話でしょうね。三冠制覇という素晴らしい思いをさせてもらっただけでも一つの区切りと感じていたのに、まだ夢を見させてもらえるだなんて、改めてジェンティルドンナという素晴らしい馬に会わせてもらったことを感謝するだけです」(伊藤さん)