重賞ウィナーレポート

2012年05月27日 目黒記念 G2

2012年05月27日 東京競馬場 晴 良 芝 2500m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:スマートロビン

プロフィール

生年月日
2008年03月05日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:15戦6勝
総収得賞金
162,415,000円
ディープインパクト
母 (母父)
キーブギー(USA)  by  Lyphard(USA)
馬主
大川 徹
生産者
飛野牧場 (静内)
調教師
松田 国英
騎手
蛯名 正義
  • スマートロビンの母キーブギー
    スマートロビンの母キーブギー
  • 今年はネオユニヴァースを交配している
    今年はネオユニヴァースを交配している
  • 赤と青を基調とした厩舎
    赤と青を基調とした厩舎
  • 牧場の看板
    牧場の看板

 ダービーデーに行われた伝統のG2戦、第126回目黒記念(G2)は4歳馬スマートロビンが優勝。好位から抜け出す正攻法の競馬で、初重賞制覇を飾った。

 本馬の生産は新ひだか町静内の飛野牧場。過去には2003年の帝王賞(G1)優勝馬ネームヴァリューや、1990年のテレビ東京3歳牝馬S(G3)を制したブルーベイブリッジを生産している。創業は昭和25年。繁殖牝馬は16頭いて、スタッフ5名、パート2名が働いている。

 同牧場の飛野正昭社長にお話を伺うと、「1番人気に応える強い勝ち方をしてくれましたね。コンビを組んだばかりの蛯名騎手も、理想的なレース運びをしてくれました。近走は馬体重が安定してきて、スタートも良くなり、馬が大人になってきたように感じます。松田国英調教師はじめ、大川徹オーナー、携わってくれた皆さんに感謝しています。」と、笑みを浮かべる。同牧場では母仔の夜間放牧に取り組み始めたところで、個々の馬のチェックに尽力するため、レースはご自宅で観戦されていたという。赤と青で綺麗に統一された厩舎の一室には、生産馬の勝利を称える写真が飾られており、また新たな一枚が増えることだろう。

 本馬はディープインパクトの初年度産駒で、誕生後まもなく庭先取引によってオーナーと縁が結ばれた。牧場時代については、「当歳時から大きく、人の言うことをよく聞く馬でした。そのあたりの賢さは走る馬に共通する部分だったと思います。」と、飛野社長は振り返る。

 母キーブギーは英国から導入した馬で、祖母Key Dancerはダンスインザダーク、ダンスパートナー、ダンスインザムードの母として知られるダンシングキイの全姉という良血。飛野社長は、「費用はかかりましたが、実績十分の血統背景が決め手で導入しました。ニジンスキーに似た骨太で、胸囲豊かな大きな馬です。」と、紹介する。本馬のディープインパクト産駒にしては珍しい500kgを超すサイズは、母馬の特徴の現れで、父母のバランスが絶妙にマッチした。

 今年18歳となる母キーブギーは健在で、来年に向けてネオユニヴァースを受胎している。同牧場には本馬の半姉ピサノレインボー(父レインボークエスト)が里帰りしており、今年生まれたクロフネの牡馬はセレクトセール(2012年7月)に上場する。ピサノレインボーについては、「レインボークエスト肌は欧州で大成功していますし、キーブギーの後継牝馬として期待しています。」と、飛野社長。日本の実力種牡馬とも配合しやすい血筋だけに、繁殖牝馬として大仕事しそうな一頭だ。

 3歳時は重賞で上位人気に推されるも、なかなか栄冠に手が届かなかったスマートロビン。大器はじっくりと熟し、ついに重賞馬の仲間入りを果たした。飛野社長は、「差す競馬も板につきましたし、今後も楽しみです。年齢的にはまだ4歳ですし、長い目で見守っていきたいですね。生産馬としてはネームヴァリューで地方G1を勝てたので、今度は中央G1を、という思いもあります。G1出走となれば、競馬場まで応援に行きたいです。」と、大舞台を見つめる。ほどなくすれば宝塚記念(G1)、セレクトセールと生産馬の出番は続く。チャンスの大きさが牧場に情熱と冷静を与えるように、厩舎カラーの赤と青が新緑の季節にいっそう照り輝いている。