2012年05月05日 京都新聞杯 G2
優勝馬:トーセンホマレボシ
プロフィール
- 生年月日
- 2009年03月23日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:6戦3勝
- 総収得賞金
- 115,882,000円
- 母 (母父)
- エヴリウィスパー by ノーザンテースト(CAN)
- 馬主
- 島川 隆哉
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 池江 泰寿
- 騎手
- C.ウィリアムズ
長らく止まっていた時計が、ほんの少しだけ動いた。95年の宝塚記念(G1)で勝ち馬のダンツシアトルが、京都競馬場の芝2200mで計時した2分10秒2のレコードタイム。以後、17年間も塗り替えられなかった記録を、まだ、競走馬として完成しきっていない3歳馬のトーセンホマレボシが、タイムを0秒2縮めてみせた。ちなみに芝2200mの日本レコードは、04年のセントライト記念(G2)でコスモバルクが記録した2分10秒1だが、トーセンホマレボシはこのレコードも破ったこととなる。
「ジョッキーもゴール前では手綱を押さえていたように、手応えも違ったのでしょうし、時計以上の強い内容だったと思います」とはノーザンファーム事務局の中尾義信氏。「勝ち上がるまで時間を要しましたが、その中で競馬の流れも掴んできたのでしょうし、何よりも馬自身が成長してきたことが大きいと思います。元々、ノーザンファーム早来牧場で育成されていた頃から期待も大きかった馬だけに、ここに来て血統が秘める能力の高さも発揮できるようになったのでしょう」(中尾氏)
トーセンホマレボシの血統を紐解くと、まず目に入ってくるのが半兄のトーセンジョーダン(牡6・池江)の名前。このトーセンジョーダンもまた昨年の天皇賞(秋)(G1)で、ウオッカが持っていた東京競馬場芝2000mのレコード1分57秒2と、新潟競馬場でツジノワンダーが記録した芝2000mの日本レコード1分56秒4を上回る、1分56秒1のタイムで優勝。兄弟揃って日本レコードホルダーとなっている。
「あれだけのレースをした後ですし、何かしらの反動もあるのではと思い、調整先であるノーザンファームしがらきの方とも連絡をしたのですが、何も問題は無いとの報告を受けています」(中尾氏)
トーセンホマレボシが加わったことで、俄然、層が厚くなった感があるのが、日本ダービー(G1)を目指すノーザンファーム生産馬たち。皐月賞(G1)2着馬のワールドエース(牡3・池江)を筆頭に、毎日杯(G3)の優勝馬ヒストリカル(牡3・音無)、昨年の朝日杯FS(G1)の勝馬で、NHKマイルC(G1)でも2着となったアルフレード(牡3・手塚)など有力馬がひしめき合うが、その中でもトーセンホマレボシには脚質的なアドバンテージがあると中尾氏は見ている。
「有力馬のほとんどが中段から後方でレースを進めて行く中で、京都新聞杯(G2)のように前で競馬をすることができて、しかもあれだけの脚が使えるようだと、いくら東京競馬場の直線が長くとも、捕らえるのは大変かもしれません。しかも春のG1戦線は前でレースを進めた馬が結果を残していますし、京都新聞杯組もダービー(G1)では好走しているというデータもありますからね」(中尾氏)
レコードという時計を動かした今のトーセンホマレボシなら、今年のクラシック戦線の流れまでも変えてしまいそうな勢いを感じる。