重賞ウィナーレポート

2012年04月07日 阪神牝馬S G2

2012年04月07日 阪神競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:クィーンズバーン

プロフィール

生年月日
2008年02月14日 04歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:11戦4勝
総収得賞金
128,946,000円
スペシャルウィーク
母 (母父)
シンコウエンジェル(USA)  by  オジジアン(USA)
馬主
林 正道
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
浅見 秀一
騎手
藤岡 佑介

 条件馬が重賞競走に出走。ハンデ戦ならまま見られることもあるが、今回、クィーンズバーンが出走したのは別定戦の阪神牝馬S(G2)。しかもG1ウイナーも出走と、掲示板に乗ることさえ難しいように思えた。

 「出走メンバーを見たときには、正直、勝ちきるまでは難しいのではないかと思いました。ただ、逃げられるとしぶとさを見せるので、上手く展開が向けば掲示板、良ければ3着ぐらいはあるのではと思いながらレースを見ていたのですが…」とノーザンファーム早来牧場の岡真治厩舎長。思い描いた通りのレース展開となり、そのままゴール板まで押し切った時には驚きました、とも笑顔で話してくれる。

 イヤリングから岡厩舎に移ってきたばかりのクィーンズバーンは、決して目立った馬ではなく、どこかトモが寂しげにも見えた。

 「それでも調教を続けていくうちに、トモにも張りが出てきて動きも良くなってきました。成長力のある馬とはその頃から感じていましたし、古馬となってから更に良くなるのではとも思っていました」(岡厩舎長)

 当時、岡厩舎長はクィーンズバーンに対してもう一つ想像していた未来像がある。それは芝の中距離が合っていそうな走りをしているということ。それでも兄弟には名古屋グランプリ(G2)の勝ち馬ワイルドソルジャーや、ダート重賞の常連として活躍を続けるダノンカモン(牡6・池江)など、血統的にはダート色が強かった。実際、クィーンズバーン自身も、デビュー戦となったメイクデビュー京都では、ダート1400mの舞台で圧勝を果たしている。

 「ただ、ダートでは頭打ちになって、芝での路線変更を図っていた時期に、牧場へと調整に出されました。その時、牧場で乗り込みを続けていたのですが、最初に芝のレースを使った後、馬がもう一段階成長したような印象を受けました」(岡厩舎長)

 競走馬として成長を遂げたクィーンズバーンにとって、この芝変わりは、まさに水を得た魚となったのだろう。着実にクラスを上げていっただけでなく、ついには重賞制覇。今後は更なる大きなタイトルへの期待もかかる。

 「まだまだ成長してくれそうな印象もありますし、その過程の中で重賞制覇を果たせたことは嬉しいです。今後、どんなレースを見せてくれるのか楽しみも広がります」(岡厩舎長)