2012年04月08日 桜花賞 G1
優勝馬:ジェンティルドンナ
プロフィール
- 生年月日
- 2009年02月20日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:5戦3勝
- 総収得賞金
- 1,326,210,000円
- 母 (母父)
- ドナブリーニ(GB) by Bertolini(USA)
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 石坂 正
- 騎手
- 岩田 康誠
桜花賞当日、ノーザンファーム空港牧場で育成を手がけた伊藤賢厩舎長は、阪神競馬場に出向いて、ジェンティルドンナのことを応援していた。
「最初、馬体重が表示されていたときには、マイナス体重だったことに心配もしたのですが、パドックでの姿は決して細くは映りませんでした」(伊藤厩舎長)
桜花賞(G1)の前に使ったチューリップ賞(G3)では、熱発明けだったこともあり、体調も万全ではなく4着に敗れているも、この日、パドックを歩くジェンティルドンナはその時の姿よりも状態が上向きであるようにも見えた。
「元々牧場にいた頃から、桜花賞(G1)よりオークス(G1)の頃に良くなって来る馬なのではと思っていました。なのでシンザン記念(G3)の勝利は驚きでしたし、この桜花賞(G1)という舞台でこれだけの高い支持を受けて出走できていることは嬉しく思っていました」(伊藤厩舎長)
伊藤厩舎長にはジェンティルドンナに対して、もう一つ嬉しい誤算があった。折り合いも付き、自分のペースを守って走れる馬だっただけに、距離は長い方がいいと思っていたジェンティルドンナが、シンザン記念(G3)のレースにも証明されたように、マイルでも能力の高さを示せたことだった。
ゲートが開くと、ジェンティルドンナは中段よりやや後方を進んでいく。その様子を関係者の席から見ていた伊藤厩舎長には、ジェンティルドンナのいる位置取りが能力を引き出すのに最も適したポジションに見えたし、上手く流れにも乗っているなと思えた。
第4コーナーでするするとジェンティルドンナがポジションをあげていく。最後の直線に入ると、抜群の手応えで先頭に躍り出る。しかし、同じノーザンファーム生産馬のヴィルシーナも長くいい脚を使って食い下がる。だが、リードを保ったまま、ジェンティルドンナは先頭でゴール板を駆け抜けた。
「残り1ハロンは興奮して叫びながら見ていました。でも、改めて思うと、ただ勝つだけでなく、後ろから行って、直線でも粘り込んだことからしても、次に繋がるレースを見せてくれたのではと思います」(伊藤厩舎長)
その伊藤厩舎長の話す「次」のレースとは、勿論、オークス(G1)。育成厩舎にいた頃から目標としていたレースでもある。「桜花賞(G1)に出走していたメンバーも強いと思いますが、ジェンティルドンナ自身も成長していますし、順調ならば結果は付いてくると思います。先日、ノーザンファームしがらきに移動したという連絡も受けたのですが、ダメージもなく飼い葉ももりもり食べているとのことで、オークス(G1)もいい状態で臨めそうです」(伊藤厩舎長)
オークス(G1)も応援に行きたいと笑顔で話す伊藤厩舎長。いわば恩師の前で、ジェンティルドンナが二冠を制する可能性は限りなく高いと言えそうだ。