2012年03月24日 毎日杯 G3
優勝馬:ヒストリカル
プロフィール
- 生年月日
- 2009年03月27日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:5戦2勝
- 総収得賞金
- 231,951,000円
- 母 (母父)
- ブリリアントベリー by ノーザンテースト(CAN)
- 馬主
- 近藤 英子
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 音無 秀孝
- 騎手
- 安藤 勝己
第59回毎日杯(G3)は、前日の雨が残る重馬場を「鬼脚」としか表現できないような末脚で、直線一気のレースでヒストリカルが優勝。さぞかし牧場時代から評価が高かったのではと思ってしまうが、昨年の今頃は、非力さばかりが目立っていた。
「この兄弟はカンパニーをはじめとして多く接してきましたが、父ディープインパクトが反映された馬体も出ていたこともあって、決して第一印象は良くありませんでした。ただ、成長力のある血統ということは、兄弟の活躍からしても分かっていましたし、近藤オーナーや音無調教師とも『ゆっくりやっていこう』という共通の認識はできていました」とはノーザンファーム早来牧場で、ヒストリカルの育成に関わってきた横手祐二厩舎長。このレースはヒストリカルを初めとして、ディープインパクト産駒3頭によるワンツースリーフィニッシュとなったが、横手厩舎長はそのディープインパクトの育成にも関わっていたのは有名な話であろう。
「ディープインパクト産駒はヒストリカルのように、見た目には弱々しくも見える馬が多く、どう育成していったらいいのかということをまず考えました。ヒストリカルに関してはまず厩舎でも軽い体重のスタッフを乗せ、馬体の成長と体力が付いたのを見計らって、騎乗スタッフを変えたり、また運動の負荷も高めていくようにしました」(横手厩舎長)
2歳の夏を越えて、次第に良化していったというヒストリカルではあるが、それでも来年のクラシック戦線を沸かせるとまでの認識は横手厩舎長には生まれてこなかったという。
「正直、頼りないという印象を払拭するまではいきませんでした。それでも古馬となってからは活躍してくれるはずとの期待は持たせてくれましたし、入厩してからどれぐらい成長してくれるのかが楽しみではありました」(横手厩舎長)
だが、メイクデビュー京都を勝ち上がったヒストリカルは、3歳を迎えたきさらぎ賞(G3)でも2着に入り、そして毎日杯(G3)を勝利と、いきなりクラシック戦線の主役となるような活躍を見せていく。
「毎日杯(G3)は厩舎の休憩室で見ていましたが、直線に入った時には『その位置で大丈夫か?』というような気持ちでした。差しきった時には嬉しさと共に、あの小さな馬が良くここまで…という気がしました」(横手厩舎長)
この後は皐月賞(G1)をパスして、日本ダービー(G1)に出走することが陣営から発表された。「末脚が武器となっている印象がありますが、最後の直線でいい位置にいれば楽しみもありそうです。元々成長力に期待していた馬ですし、日本ダービー(G1)までの期間に、また成長した姿を見せてもらいたいです」(横手厩舎長)