2012年02月12日 共同通信杯 G3
優勝馬:ゴールドシップ
プロフィール
- 生年月日
- 2009年03月06日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/芦毛
- 戦績
- 国内:5戦3勝
- 総収得賞金
- 1,397,767,000円
- 馬主
- 小林 英一
- 生産者
- 出口牧場 (門別)
- 調教師
- 須貝 尚介
- 騎手
- 内田 博幸
今年の牡馬クラシック路線にニューヒーローが誕生した。第46回共同通信杯(G3)は、2番人気のゴールドシップが最後の直線で末脚を伸ばし、逃げた1番人気のディープブリランテに1馬身3/4差をつけて快勝した。
2歳時に挑戦した重賞は2着2回。3歳になり本格化したゴールドシップが、これまでの雪辱を果たす重賞初制覇。開業3年目の須貝尚介調教師にとっても中央重賞初勝利だった。
同馬を生産したのは、日高町の出口牧場。現代表の出口俊一さんで3代目となる老舗牧場は、1988年アルゼンチン共和国杯(G2)などを制したレジェンドテイオー以来の重賞勝利に歓喜した。
レース当日は俊一さんの弟で、共に牧場を切り盛りしている悟さんが現地へ駆けつけた。「うちの馬は馬体も丁度いい感じだったし、チャンスはあるかな?とは思いました。逃げた馬を抜き去るまでは馬同様必死で、久しぶりに声が出ましたよ。レース前に思い描いた理想通りの展開になって、勝つときはこういうもんなんだなって驚きました」と俊一さん。
母ポイントフラッグはテイエムオーシャン、レディパステルなどと同期で牝馬クラシックにも駒を進めた活躍馬。ゴールドシップは5番仔になる。
09年にゴールドシップが誕生する前、すでに父ステイゴールド×母父メジロマックイーン配合の先駆けともいえるドリームジャーニーが活躍していたが、俊一さんは特に意識していなかったと言う。
「母のポイントフラッグは現役時でも500kgを優に超える大型馬で、子供たちも皆大きくて常に脚元の不安に悩まされました。そこで小柄な種馬ということで、ステイゴールドを配合したんです。だけど、生まれて来たらやっぱり大きかった」と苦笑い。放牧地では同い年の他馬より一回り大きく、毛色も手伝ってかなり目立つ存在だったそうだ。
馬格だけで目立っていた幼少期を過ぎ、自ら輝きを放ちはじめたゴールドシップ。俊一さんにとってこの重賞制覇は何重もの喜びだった。「20年来のお付き合いをさせてもらっているオーナーの馬で重賞を勝てたこと。須貝調教師も先代からのお付き合いだし、ここにも縁を感じますね。馬産に携わる者としてクラシックはやはり特別なものだし、地元の人たちが自分のことのように応援してくれるのが嬉しいね。うちの馬が走ることによって日高全体が元気になってくれればなにより嬉しいこと」と満面の笑みを浮かべた。
ゴールドシップの活躍が、日高の活力となることを願わずにはいられない。