重賞ウィナーレポート

2012年01月15日 京成杯 G3

2012年01月15日 中山競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ベストディール

プロフィール

生年月日
2009年03月17日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:4戦3勝
総収得賞金
59,577,000円
ディープインパクト
母 (母父)
コマーサント(FR)  by  Marchand de Sable(USA)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
国枝 栄
騎手
蛯名 正義

 京成杯(G3)を勝利したベストディールの馬名は、「最高の取引」という意味だという。社台サラブレッドクラブの募集馬となったベストディールであるが、この馬と共に未来を夢見ることができる会員にとっても「最高のサラブレッド」となった感がある。

 「母コマーサントは、カナダのEPテイラーS(G1)の勝ち馬であり、仏プシシェ賞(G3)でも勝利しています。引退直後に上場された05年のキーンランドセールで購入してきた牝馬ですが、当時から一流馬特有のオーラがあり、何としても日本に連れて帰ろうという思いで、せりに臨んだことを鮮明に覚えています」とは社台ファームの池田充マネージャー。近年の社台ファームが輸入してきた繁殖牝馬は、その産駒実績や競走実績など話題性に富んでいる。その一方で、優れた牝馬を選び出す眼力だけでなく、産駒を優れた競走馬として送り出しているのは、やはり社台ファームの生産、育成技術のレベルが高いことの証明とも言える。

 札幌2歳S(G3)の勝ち馬であるグランデッツァなど、素質馬と共に育成を行われていたベストディールだが、最初にダートコースへと入った頃はついていくのがやっとといった走りをしていた。しかし、ウッドチップのコースでは見違えるほどに軽い走りを見せており、パワーを付けるために雪解けの頃にはダートコースでの調教を中心に調整されていたという。

 順調に力もつけ、2歳夏には函館競馬場へと入厩。だが、飼い葉食いが落ちたことで、再び社台ファームでの調整を余儀なくされる。「デビューまで色々なことがありました。でも、こうした問題をきっちりと克服できる習得力、そして精神力や体力がついていることが、この馬の最大の長所だと思います」(池田マネージャー)

 京成杯(G3)のレースもまた、これまでの3戦におけるレース経験を生かしたと思えるような内容だった。レース序盤から中盤にかけては中段で我慢をすると、勝負どころでは今年、早くも2桁勝利をあげた蛯名騎手のゴーサインに反応して先行勢を捕らえに行く。そしてセーフティリードを保ったままゴール。皐月賞(G1)とは同条件となるこのレースで、最高の予行練習を見せた。

 「内容のあるレースを見せてくれましたが、今後もさらなる進化を見込めると思っています。クラシックへ向けて大変意味のある1勝となりました」と池田マネージャー。クラシックの一冠目となる皐月賞(G1)。ベストディールが、京成杯を越えるベストパフォーマンスを見せれば、最高の結果がついてくることとなりそうだ。