重賞ウィナーレポート

2011年12月11日 阪神ジュベナイルフィリーズ G1

2011年12月11日 阪神競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ジョワドヴィーヴル

プロフィール

生年月日
2009年05月13日 02歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
95,948,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ビワハイジ  by  Caerleon(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
松田 博資
騎手
福永 祐一

 JRAのCMのキャッチコピーで流れた「天才はいる。悔しいが」の言葉。今、まさにこの言葉に相応しい馬こそが、ジョワドヴィーヴルではないだろうか。

 デビューから僅か2戦でのG1制覇はJRA史上初。記録更新こそならなかったが、デビューから僅か30日目のG1制覇は、史上2番目のスピード制覇であり、また、母ビワハイジ、姉ブエナビスタに続く母、姉、妹によるG1制覇という快挙も成し遂げた。「レース経験が重要とされる2歳戦において、僅かキャリア2戦でG1を勝利したことは驚きでもありました」とはノーザンファーム事務局の中尾義信さん。ちなみにノーザンファームとしても阪神JF(G1)は5連勝となったわけだが、同一G1を同じ生産牧場が5連覇したというのも快挙であろう。 

 「育成に携わってきたスタッフからは、素質のある馬との評価を集めていたのは事実です。G1を勝てるような血統馬は巡り合わせと言えども、優れた素質を持った馬に携わってきた経験や体験が、ジョワドヴィーヴルに生かせたのは事実だと思います」(中尾さん)

 実はこのレースでノーザンファームはもう一つの快挙を果たしている。それは2着にアイムユアーズが入ったことで、阪神JFとなってからは3度目のワンツーフィニッシュ(07年…トールポピー、レーヴダムール、09年…アパパネ、アニメイトバイオ)となったのだ。

 「このレースにも6頭の生産馬を出走させることができたように、新馬、未勝利戦を勝ち上がれた馬が多かったことや、その後も順調にこの舞台に進めることができた成果だと思っています。来年もこのレースで人気を背負うような馬を出走させて、いい結果を残せるようにしたいですね」(中尾さん)

 ジョワドヴィーヴルを天才と呼ぶ理由には、母ビワハイジ、そして半姉ブエナビスタがG1を勝っているという事実。3年前の阪神JF(Jpn1)で同じ枠番(13番)に入り、そして2着に同じ着差(2馬身半差)を付けたブエナビスタは、25日の有馬記念(G1)がラストランとなる。

 「血統、同じ過程を歩んでいることで、ブエナビスタとの比較をされるのは仕方ないかと思いますが、私としては別の馬だと思っています。馬体には父ディープインパクトが出ていますし、完成度やレースぶりからしても、これからジョワドヴィーヴルの個性が出てくるのではないのでしょうか」(中尾さん)

 様々な媒体で語り尽くされているエピソードであろうが、主戦を務めている福永祐一騎手が、デビュー前にジョワドヴィーヴルに跨った後で「今までに乗ったことのない乗り味」と話している。様々なG1馬に乗ってきた騎手のコメントこそが、ジョワドヴィーヴルは他の馬と比べようがないという事実を証明している。

 「この勝利で来年のクラシックでは、最も近い位置にいるのは事実だと思います。ただ、2着のアイムユアーズを初めとして、今後はライバルとなる馬も出てくるのでしょうし、まだまだ未知数な面もあるのは事実です。でも、ジョワドヴィーヴル自身がどう成長していくのかという楽しみもありますし、まずは来年、今回より成長した姿をレースの中で見せて欲しいですね」(中尾さん)