2011年10月23日 菊花賞 G1
優勝馬:オルフェーヴル
プロフィール
- 生年月日
- 2008年05月14日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:10戦6勝
- 総収得賞金
- 1,344,084,000円
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- (有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
- 調教師
- 池江 泰寿
- 騎手
- 池添 謙一
2歳の夏、新潟で行われたメイクデビュー。1着で駆け抜けたゴール後、鞍上の池添謙一騎手を振り落としたオルフェーヴルは、JRA史上7頭目となるクラシック三冠制覇という偉業を遂げたその後も、あのときと同じように池添騎手を振り落とした。
「ゴール後、池添騎手が落馬したということは後で聞きました。元気が有り余っているというか、ステイゴールドらしさが出たというのか、いずれにせよ、オルフェーヴルらしいなと思います」
そう話す白老ファームの石垣節雄繁殖主任は、レース当日、京都競馬場へオルフェーヴルの応援に出かけていた。ちょうど、オルフェーヴルがやんちゃな様子を見せたその時、石垣さんは関係者と共に歓喜の輪の中に入っていた。
「神戸新聞杯(G2)を勝利したときにもお話しましたが、菊花賞(G1)はいい結果が出ることを信じて、悪い情報は聞かないようにしようと思っていました。(石垣さん)
4連敗をした三冠馬は史上初めてのことだが、これもレースごとにオルフェーヴルが成長を遂げてきたことの証明。それは、菊花賞(G1)における、前走からプラス6㎏の馬体重にも現れていた。
「パドックでオルフェーヴルの姿を見るのはスプリングS(G2)以来となりますが、あの頃からだと20㎏以上も増えているように、レースだけでなく、調教を含めて心身共に成長しているのでしょう」(石垣さん)
心配をすることなくレースを見るつもりだった石垣さんではあったが、ただ1つ、気がかりなことがあった。それはその日の京都競馬場で行われた芝のレースでは、前残りのレースが続いていたこと。オルフェーヴルが後ろからレースを進めていくようだと、前の馬を捕らえられないのではとの思いも頭をよぎった。
「でも、スタートして隊列ができあがった時には、理想の位置取りでレースをしてくれていると思いました。最後の直線で先頭に立ったときには勝利を確信できましたし、あとは、ただ『行け!』と叫んでいました」(石垣さん)
勝利の瞬間は嬉しさよりも、三冠という偉業をオルフェーヴルがクリアできたとの思いを強く持った、とも石垣さんは話す。むしろダービーの時の方が緊張したのを覚えていますとも笑うが、それはオルフェーヴルが確実に強くなっていることを、レースの度に確認できているからだろう。
「今後は古馬との対決となっていきますが、これまで戦ってきた同世代の馬たちよりもメンバーは強くなりますし、オルフェーヴル自身もレベルアップしなければいけないと思います。それでも次のレースまでにはまた成長しているのではとの夢を持たせてくれる馬ですね」(石垣さん)
最後に、白老ファームから史上7頭目となる三冠馬が誕生したことについて、改めて感想を求めたが、「ここまでの成績を残すと、オルフェーヴルという馬がよくぞこの牧場で産まれてくれたということだけですね」と石垣さんは笑った。