重賞ウィナーレポート

2011年09月18日 ローズS G2

2011年09月18日 阪神競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ホエールキャプチャ

プロフィール

生年月日
2008年02月24日 03歳
性別/毛色
牝/芦毛
戦績
国内:9戦4勝
総収得賞金
532,316,000円
クロフネ(USA)
母 (母父)
グローバルピース  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
嶋田 賢
生産者
千代田牧場 (静内)
調教師
田中 清隆
騎手
池添 謙一

 秋華賞(G1)、エリザベス女王杯(G1)を目指す馬たちの第29回関西テレビ放送賞ローズS(G2)は、1番人気のホエールキャプチャが先行策から早めに抜け出して優勝。戴冠に大きな1歩を踏み出した。

 強いことは、誰もが認めていた。ところが、誰もが夢見る大舞台になると勝利の女神はこの馬に試練を与え続けた。2歳暮れの阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)は直線で幾度となく前が狭くなった。桜花賞(G1)は外枠があだとなり、オークス(G1)では突然の雨に馬が戸惑うように出遅れてしまった。それぞれのレースで見るものに強さは印象づけたが、結果は2着、2着、そして3着。手を伸ばせば届きそうなG1タイトルは、するりと逃げていった。

 「レースのあと、多くの方から馬を称える声をかけていただきました。それでも、オーナーや厩舎関係者のためにも結果が欲しかった」と同馬を生産した千代田牧場の飯田正剛社長は春シーズンを振り返ってくれた。

 そして、捲土重来を期すホエールキャプチャは、オークス(G1)から5日後の5月27日、新ひだか町の千代田牧場に帰ってきた。「牧場に戻ってきたのは未勝利戦を勝ったあと9か月ぶりくらいになります。その間、ずっと厩舎で厳しい競馬を続けていたので、心身ともに馬は疲れていたようです」というホエールキャプチャには、秋シーズンに向けてリフレッシュメニューが用意された。「疲れを癒し、そして減っていた体重を戻すこと。完全に緩ませずに、ふっくらとした状態で送り出すことができました」と順調な夏をアピール。ホエールキャプチャを再び戦いの場へと送り出した。

 「函館競馬場に移動したのは7月24日です。牧場出発時には480キロ(オークスは452キロ)でしたので、ローズS(G2)はもう少し増えて出てくると思ったのですが、きっちり仕上がっていましたね。スタートを決めてくれたので安心していられました」という言葉どおりにレースは完勝だった。桜花賞馬マルセリーナを前に見ながら、後ろにオークス馬エリンコートを従えながら、ホエールキャプチャはマイペース。折り合いに苦しむ馬たちを尻目に早めに抜け出して2着馬以下の追撃を退けた。

 「ゴール前でソラを使ったために差を詰められましたが、勝てて胸をなで下ろしています。秋は大きなタイトルを獲りたいし、それだけの馬だと思っています」と飯田社長。ここまで9戦してすべて馬券の対象になっている。強さもさることながら、その堅実性も出色だ。関係者の思いはひとつ。その先には最優秀3歳牝馬のタイトルが待っている。