2011年09月25日 神戸新聞杯 G2
優勝馬:オルフェーヴル
プロフィール
- 生年月日
- 2008年05月14日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:9戦5勝
- 総収得賞金
- 1,344,084,000円
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- (有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
- 調教師
- 池江 泰寿
- 騎手
- 池添 謙一
オルフェーヴルにとって、この神戸新聞杯(G2)は最高の菊花賞(G1)トライアルとなった。このレース、圧倒的な1番人気で出走したオルフェーヴルは、1000m通過が1分3秒5というスローペースを、引っかかることもなく5番手で追走。最後の直線では鞍上の仕掛けに即座に反応すると、メンバー中最速となる32秒8の末脚を使い、最後は余裕残しで2着馬に2馬身半の差を付けてゴール板を駆け抜けた。
「完勝と言えるレースを見せてくれました。レースぶり、レース内容とトライアルとしては満点と言える内容でしたね」と白老ファームの石垣節雄繁殖主任は安堵の表情を浮かべる。結果を見ればマイナス要素を探すのが難しい程のレースとなったが、それでも戦前はいくつかの不安点もあったと石垣さんは話す。
「休み明けでどんなレースをしてくれるのかということもありましたし、プラス16㎏という数字を見たときには、元々の馬体のサイズを考えてもかなり余裕があるのではと考えました。それでもパドックでの姿は決して太くなかったですし、むしろ成長分として取れるほどでした」(石垣さん)
これで史上7頭目となる三冠制覇がくっきりと見えてきた感もあるオルフェーヴルだが、スタッフと共に歴史的名馬となるであろう馬を送り出した石垣さんに、ダービー(G1)前に覚えたという気負いは全く感じられない。
「三冠という結果は、レースが終わってからついてくると思います。それでも神戸新聞杯(G2)や、これまでのレースの結果を見る限り、3歳世代の中で力が抜けているのは間違いありませんし、あとは菊花賞(G1)で力を出し切ってくれるのを信じるだけです」(石垣さん)
デビュー戦では騎手を振り落とすほどやんちゃだったオルフェーヴルは、その後も若さの溢れるレースを続けていくものの、レース経験を重ねながら次第に高いポテンシャルを発揮できるようになっていく。重賞の壁はG1まで瞬く間に突破し、ダービー(G1)では雨も重馬場もクリア。あとは3000mという距離だけだが、現3歳馬のほとんどが体験したことのない条件であり、むしろ、2400mの距離で2度勝利した実績は、3歳馬では一枚も二枚も抜けている。
そして芝長距離重賞で活躍したステイゴールド産駒で、母父が稀代のステイヤーメジロマックイーンということを考えると、距離延長によって、更に高いポテンシャルが発揮されることとなると見た方がいいだろう。
「これだけの馬となったオルフェーヴルに、僕らが何か不安材料を探すというのは失礼かもしれません。だからこそ、菊花賞(G1)ではオルフェーヴルを信じて、応援をしたいと思っています」(石垣さん)
菊花賞(G1)のレース当日、石垣さんは京都競馬場まで応援に行くことを決めている。石垣さんだけでなく、感動の瞬間を待ち望む沢山のファンの前で、きっとオルフェーヴルは期待に応える結果を残してくれるはずだ。