重賞ウィナーレポート

2011年08月21日 レパードS G3

2011年08月21日 新潟競馬場 曇 稍重 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ボレアス

プロフィール

生年月日
2008年03月11日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:10戦3勝
総収得賞金
118,839,000円
ディープインパクト
母 (母父)
クロウキャニオン  by  フレンチデピュティ(USA)
馬主
金子真人ホールディングス (株)
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
吉田 直弘
騎手
武 豊

 2歳のデビュー前から話題となっていたボレアス。それはディープインパクトの初年度産駒というだけでなく、動きの良さも高く評価されていたからである。

 「入厩時は440㎏程と決して大柄な馬ではありませんでした。外見的にも目立った馬では無かったです。でも、調教の動きは良かったですし、上のレベルで戦える馬になると思っていました」とノーザンファーム空港牧場の犬伏健太調教主任は当時を振り返る。そしてもう一つ、犬伏主任には確信めいた思いがあった。それは、ボレアスが高いダート適正を持っているのでは?ということだった。

 「兄のキラウエアの育成も行っていたのですが、調教では芝でも充分にやれるような印象がありながらも、競走成績を見るとやはりダートで結果を残していましたからね。管理をしてくださっている吉田直弘先生には、『この血統はダートでも充分にやれます』と話していました」(犬伏主任)

 デビュー戦をダートで迎えたボレアスは、勝ち上がるまで2戦を要したものの、2歳未勝利戦を勝ち上がると、続く樅の木賞を勝利。初芝の毎日杯(G3)こそ大きく着順を落としたが、ダート戦では掲示板を外さない堅実なレースを続けていく。

 「やはりダート戦では最後の切れ味が違っていました。惜しいレースこそ続いていましたがレパードS(G3)では格上だと思っていたので、期待を持ちながらレースを見ることができました」(犬伏主任)

 このレース、1番人気で出走したボレアスは後方から順位を上げていき、最後の直線では前を行く2頭が粘り込むところをあっさりと交わしていく。着差こそ2馬身差だったが、文句なしの圧勝だった。

 「ディープインパクト産駒に取って初めてのダート重賞制覇となりましたが、ディープインパクトの金子オーナー(金子真人ホールディングス)にとっても、この勝利がディープインパクト産駒で初めての重賞制覇となるんですよね。母のクロウキャニオンも金子オーナーが所有されていた馬ですし、重賞を勝ったことで、様々な喜びをオーナーに届けられたことが嬉しいです」(犬伏主任)

 3歳ダート戦線では間違いなくトップクラスを走ることとなったボレアスに、犬伏主任は、「より大きなタイトルを取って欲しい」と期待をかける。砂の上とは言え、ボレアスの末脚の破壊力はまさに父譲り。「砂のディープインパクト」として戴冠をおさめるその日は、そう遠いことでもなさそうだ。