2011年05月29日 日本ダービー G1
優勝馬:オルフェーヴル
プロフィール
- 生年月日
- 2008年05月14日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:8戦4勝
- 総収得賞金
- 1,344,084,000円
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- (有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
- 調教師
- 池江 泰寿
- 騎手
- 池添 謙一
「サンデーサイレンスの孫」18頭による争いとなった第78回日本ダービー(G1)は、白老町の白老ファーム生産のオルフェーヴルが馬群を切り裂いて優勝。2006年のメイショウサムソン以来5年ぶりに春の2冠馬となった。
「終わってみれば、なんかとても不思議な感覚でした」と同ファームの橋本裕充場長は感激の日本ダービー(G1)当日を思い出してくれた。ダイナコスモス、サッカーボーイ、ゼンノロブロイ、ドリームパスポート。社台コーポレーション白老ファームにとっては、社台ファーム白老牧場時代からの念願ともいえる日本ダービー(G1)。その瞬間は生産馬オルフェーヴルの圧倒的な強さの前に、あっけないほどあっさりと達成された。
「直線で行き場を失ったように見えたときは冷や汗をかきましたが、抜け出してからが強かったと思います。直線では追ってくる馬もいましたが、ゴール前で勝利を確信しました。牧場ゆかりのステイゴールド産駒で日本ダービー(G1)を勝てたことは本当に嬉しいです」と笑顔でレースをふり返った。
「勝ったから言えるのでしょうが、これまで悔しい思いを重ねてきたのにオルフェーヴルが先頭でゴールを駆けたときは、自分でも意外なほどに落ち着いていました。皐月賞(G1)で感極まりすぎたのかもしれません」と周囲を笑わせた。それでも「皐月賞(G1)のときはほかの生産馬を探せましたが、今回はその余裕はなかったです。やっぱり日本ダービー(G1)なんですね」と感激を新たにしていた。
日本ダービー(G1)当日。前日から降り続いた雨はさらに激しさを増し、容赦なく馬場にダメージを与えていた。良馬場で行なわれた皐月賞(G1)で2着馬に3馬身の差をつけたオルフェーヴルにとっては少なくともプラスではない。まして、同馬は追い込み脚質だ。「刻一刻と悪化する馬場状態は気にはなっていました。しかし、レースが近づくにつれて、どの馬も同じ条件だから、と半ば開き直ったようなそんな心境になりました」。その雨はレース時刻になっても収まる様子はなく、雨中の日本ダービー(G1)となった。
「生産者といっても、今から自分にできることはなにもなく、立場は、むしろファンに近かったような気がします。どんな条件になっても、生産馬を応援するだけでした」という思いは生産馬の優勝という最高の形で締めくくられた。そして、秋は三冠を目指す。
「三冠の挑戦は、日本ダービー(G1)とはまた違った感激があるのだと思います。でも自分たちは生産牧場として、いま目の前にいる馬たちに対して出来ることを手を抜かずにやり続けなければなりません。その大切さをオルフェーヴルに教わりました」とさらに上を目指す。