重賞ウィナーレポート

2011年05月22日 オークス G1

2011年05月22日 東京競馬場 雨 良 芝 2400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エリンコート

プロフィール

生年月日
2008年03月10日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:9戦4勝
総収得賞金
164,682,000円
デュランダル
母 (母父)
エリンバード(FR)  by  Bluebird(USA)
馬主
吉田 照哉
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
笹田 和秀
騎手
後藤 浩輝

 雨中の東京競馬場で行なわれた第72回オークス(G1)は、忘れな草賞優勝をステップに挑んだエリンコートが、中団から脚を伸ばして歴代2位の好タイムとなる2分25秒7で優勝。重賞初勝利をG1レースの大舞台で飾った。

 桜花賞(G1)に続いて春の牝馬クラシックを連勝し、また2年連続でオークス馬を生産した社台ファームの長浜卓也さんは「当牧場の生産馬でもっと人気になっていた馬もいましたし、この馬は2000mの距離を勝っているとはいえデュランダルの産駒ですから正直いえばレース前は半信半疑でした」とレース前の心境を語ってくれた。

 そんな生産牧場関係者の心配をよそに、2枠4番からスタートしたエリンコートは手応えよく中団を進み、ゴール前ではピュアブリーゼをしっかりとつかまえて先頭でゴールへと飛び込んだ。「生産牧場としては牝馬のG1レースを勝ってくれるというのは本当に嬉しいです。エリンコートはレースを使われながら、少しずつ競馬を覚えていってくれた印象があります。この馬に関わってきた人すべてに感謝したいです」と喜びを表現した。昨年夏の函館競馬でデビューしたエリンコートは、3戦目に未勝利戦を勝ちあがり、2勝目は今年3月。怪我や病気には縁遠かったが、デビューしたあとも社台ファームや山元トレセン、グリーンウッドなどの育成施設を使いながら馬にレースを覚えさせてきた。

 狙っていたレースを除外されたり、落馬のために直前で騎手が変わったり、あるいはレース中に致命的な不利を受けたりと、決して順調なレースキャリアではなかったが「終わってみればですけど、馬に縁があったということだと思います。笹田調教師との出会いも縁でしょうし、こういうローテーションになったもの縁だと思います。クラシックレースを勝つということは、こういうことを味方にする必要があるのだと思います。そのためにも1頭でも多くの勝馬を出して、1頭でも多くの馬をクラシックレースに出走させる。いつも思うことですが、そんなことの大切さをまたも感じました」と笑顔になった。

 そして、「この馬は社台オーナーズクラブの馬なのですが、募集カタログには『天候も不問のまさにオールラウンダーとしての活躍を期待しています』と書いてあるんです。それから『早期デビューから両親譲りの成長力を発揮して、息長くタフに走ってくれそうな素材です』と評価しています。さらにいえば、スポーツ新聞で母のエリンバードに騎乗したことのある武豊騎手が『母親のエリンバードはマイラーではない。距離の不安はない』とも発言してくれています。こんなところにも、不思議な縁を感じました。これからも息の長い活躍を期待しています」と語ってくれた。