重賞ウィナーレポート

2011年05月07日 京都新聞杯 G2

2011年05月07日 京都競馬場 晴 良 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:クレスコグランド

プロフィール

生年月日
2008年01月31日 03歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:6戦3勝
総収得賞金
101,628,000円
タニノギムレット
母 (母父)
マンハッタンフィズ  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
堀川 三郎
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
石坂 正
騎手
武 豊

 素晴らしい末脚だった。末脚でレースを進めたクレスコグランドは、最後の直線で上がり3ハロン33秒9の脚を爆発させる。先に抜け出した馬との差はみるみる詰まっていき、ゴール前では計ったかのようにハナ差だけ抜け出していた。

 この末脚を爆発させた背景にあるもの、それはこの血統ならではの前向きな気性だと社台ファーム事務局の長浜卓也さんは話す。

 「重賞を2勝した半姉のアプリコットフィズ、叔父のマンハッタンカフェなど、気合乗りが良すぎるくらいのファミリーですが、心身ともに完成するまで体重が安定しない傾向も見られます。その中でクレスコグランドは馬体に関する心配がなく、幼少期から落ち着いていました」と長浜さん。むしろいかなる時にも落ち着き払っているクレスコグランドの姿に、『本当にこの血統らしい長所がでるのだろうか?』と周りからは心配すらされたほどです、と笑みを浮かべる。

 クレスコグランドの躍進を語る上で欠かせない人物、それはオーナーの堀川三郎氏の存在である。

 「オーナーとご家族の皆様には、日頃から牧場スタッフ一同が本当にお世話になっており、いつかこのご恩を返さなくてはと思っていた中で、重賞制覇の喜びを分かち合うことができました。本当に嬉しいですし、クレスコグランド自身も、こうした思いを受け止めて期待に応えてくれたのかなとも思います」(長浜さん)

 後方からのレースとなったデビュー2戦目の3歳未勝利戦こそ7着に敗れているものの、通算成績はこれで6戦3勝2着2回と、非常に安定したレースぶりを見せている。

 「キャリアを積むごとに末脚に磨きがかかっているように、短期間での成長力が素晴らしいと思います。この勝利でダービー(G1)出走権を獲得しましたが、この馬はまだ進化の途中です。完成期を楽しみにしています」と長浜さん。たとえ完成期の途中とはいえども、連勝時に見せた末脚の鋭さなど、レース内容が安定してきたのはここ2戦の成績が物語っている。G1級の血統背景を持ったクレスコグランドが、ダービー(G1)でどれほど成長した姿を見せてくれるのか、今から想像が膨らむ。