重賞ウィナーレポート

2011年04月24日 アンタレスS G3

2011年04月24日 京都競馬場 晴 重 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ゴルトブリッツ

プロフィール

生年月日
2007年04月11日 04歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:13戦6勝
総収得賞金
224,040,000円
スペシャルウィーク
母 (母父)
レディブロンド(USA)  by  Seeking the Gold(USA)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
吉田 直弘
騎手
田辺 裕信

 良血開花。母はディープインパクトの半姉であり、スプリンターズステークス(G1)でも人気を集めたレディブロンド。そして父は日本ダービー馬スペシャルウィーク。だが、ゴルトブリッツが競走馬として歩んできた道のりは、決して輝かしくも、平坦なものでも無かった。

 「育成厩舎に来た頃は、動きなどで決して目立っていた馬でありませんでした。むしろ同期の馬たちと比べると弱いところが目に付いたので、無理をさせないようにしながらどう鍛えていくかを考えていたことの方が多かったですね」とは、母の叔父となるディープインパクトの育成調教も行ってきたノーザンファーム早来牧場の横手裕二厩舎長。競走馬としての体力と、レースに対応できる調教を施して厩舎から旅立たせたゴルトブリッツではあったが、アクシデントがあってデビューが遅れただけでなく、勝ち運にも恵まれず、3歳未勝利戦が行われている時期に中央での勝利を上げられなくなってしまう。

 ホッカイドウ競馬に移籍し、再起を目指すこととなったゴルトブリッツは、認定厩舎の資格を有した横手厩舎に、再び戻ってくることとなった。「連戦の疲れもあった一方で、ホッカイドウ競馬の開催期間を考えると、それほど残された時間も無い。ただ、牧場に戻ってから馬がシャキッとしてきて、坂路でも時計を出せるようになってきました」(横手さん)

 つい一ヶ月前には競馬を使ってきただけに、追い切りに近い調教を行わなくとも、いいレースができるはずという横手さんの見込みは当たっていた。ホッカイドウ競馬の2戦では、2着馬に1秒以上の差を付ける快勝。その強さに、未勝利戦を勝ち切れずにホッカイドウ競馬へと転出し、その後、JBCスプリント(Jpn1)を勝利したサマーウインド(牡6)を重ね合わせる声も聞こえてきたが、横手さんは「ようやく勝ち鞍を上げられたばかりですし、それほど上手くは行かないかなあとは思っていました」と笑みを浮かべる。だが、それから約半年後、ゴルトブリッツは重賞を制し、そしてG1タイトルにも近づこうとしている。

 「レース内容が証明しているように、とにかく強いレースでした。先行して、あの上がりで来ているのですから、これだけ強い馬だったのか、と驚かされるばかりでしたね」(横手さん)

 ディープインパクトを初めとする幾多の名馬を育ててきた横手さんの目利きさえ戸惑わせるゴルトブリッツの成長力。ホッカイドウ競馬から再起を図った馬が、再びG1馬となる日は、もうすぐそこまで来ているのかもしれない。