2011年02月13日 共同通信杯 G3
優勝馬:ナカヤマナイト
プロフィール
- 生年月日
- 2008年03月24日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:7戦3勝
- 総収得賞金
- 307,848,000円
- 父
- ステイゴールド
- 母 (母父)
- フィジーガール by カコイーシーズ(USA)
- 馬主
- 和泉 信一
- 生産者
- 沖田牧場 (門別)
- 調教師
- 二ノ宮 敬宇
- 騎手
- 柴田 善臣
今年のクラシック戦線を占う上で重要な1戦となる第45回共同通信杯(G3) は、直線最内から強襲したナカヤマナイトが、先に抜け出したユニバーサルバンクをクビ差捉えて優勝。重賞初勝利を飾るとともに皐月賞(G1)へ向け高らかに名乗りを挙げた。
同馬を生産したのは日高町の沖田牧場。牧場の歴史は古く、昭和5年に軍用馬の生産から始め、昭和42年には軽種馬を導入したという日高有数の老舗牧場だ。60町歩の広大な敷地に自馬19頭、預託馬合わせて30数頭の繁殖牝馬を繋養している。代表の沖田正憲さんは獣医師としての仕事も務め、レース当日は電話でレース実況を聞き愛馬の勝利を知ったそうだ。
「とにかく、勝って良かった。重賞を勝てる馬を送り出せて良かった。ホッとしたというのが一番大きかったですね」と沖田さん。生産馬の中央重賞勝利は1997年の北九州記念(G3)を制したダンディコマンド以来14年振りとなるだけに喜びもひとしおだった。
ナカヤマナイトは父ステイゴールド、母フィジーガール、母の父カコイーシーズという血統。半姉にはホッカイドウ競馬の重賞フローラルCを勝ったヨウヨウ(父マヤノトップガン)がいる。ナカヤマナイト誕生までには、母の母にあたるツバキヒメ導入まで話を遡らなければならない。
「1歳の頃からツバキヒメを見ていたけど、姿形が父マルゼンスキーの母であるシルに良く似ていた。引退したらぜひ欲しいとお願いしたら快く了承してくださって繁殖として迎え入れることができたんです」。
ようやく手に入れたツバキヒメに、マルゼンスキーと同じトヨサトスタリオンセンターで繋養されていたカコイーシーズを配合して生まれたのがフィジーガールだった。「一番合うと手応えを感じたのがステイゴールドだったので、ここ数年は毎年ステイゴールドを配合しています。不思議なことに、同配合でも全て違うタイプの馬が生まれるんですよ。ナカヤマナイトは父に似ている感じで小振りながらバランスが良く、気性も悪くなかったと記憶しています」と、沖田さんの強いこだわりが長い年月をかけて花開き、重賞勝利へと繋がった。
沖田牧場にとって生産馬のクラシック出走は1996年の皐月賞(G1)に出走し、5着だったダンディコマンド以来となる。「小さい頃から病気も怪我もなく丈夫な馬だったから、このまま順調にいって欲しい。競馬は走ってみないとわからないし、できることならもっともっと上を目指して頑張って欲しいですね」と更なる高見を目指す愛馬に熱いエールを送った。