重賞ウィナーレポート

2011年02月13日 京都記念 G2

2011年02月13日 京都競馬場 晴 良 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:トゥザグローリー

プロフィール

生年月日
2007年02月16日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:11戦5勝
総収得賞金
464,784,000円
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
池江 泰郎
騎手
U.リスポリ

 昨年の有馬記念(G1)で、最優秀3歳牡馬と年度代表馬に迫り、3着に入着した実績は伊達ではなかった。その有馬記念(G1)以来のレースとなったトゥザグローリーは直線で先頭に立つと、後続馬の追い込みも退けて重賞2勝目をあげた。

 「強いレースを見せてくれました。有馬記念(G1)の後で予定していたレースではありましたが、実力馬たちを相手に勝利できたように、力のあることを証明してくれました」とノーザンファーム事務局の中尾義信さん。

 育成時からデビュー時期にこだわらず調整されてきたというトゥザグローリーが、デビューを迎えたのは3歳3月のこと。だが、デビュー戦、500万下を連勝すると、青葉賞(G2)での2着を挟んで、デビューから僅か3か月で日本ダービー(G1)にも出走を果たした。

 「馬の成長を最優先に育成をしてきた成果だと感じています。ただ、この頃はまだトゥザグローリーに適した条件がどこかを模索していた頃でした」(中尾さん)

 それでも日本ダービー(G1)以外は大負けしていなかったのは、能力の高さの証明とも言える。超一流の血統背景から受け継がれたエンジン(能力の高さ)を最大限に発揮する、シャーシ(馬体の成長)が伴ってきた時期は、昨年夏の休養だった。

 「デビュー時は余裕のある馬体をしていたこともありますが、その後はレースを使う度に馬体を減らしていたところを見ると、まだ、完成しきってなかったのでしょう。それでも休養から厩舎へと戻ってきてからは、順調に馬体を増やしているように、調教やレース経験が身になっているような印象を受けます」(中尾さん)

 レース経験という意味においては、ここ2走の安定したレースぶりがその事実を証明している。差し、追い込み、時にはまくりと、様々なレースを見せてきたトゥザグローリーではあるが、有馬記念(G1)、そしてこの京都記念(G2)と先行抜けだしという王道のレースを見せるようになった。しかし、中尾さんはそれでもまだ、トゥザグローリーが競走馬として完成を迎えたとは思っていない。

 「500㎏を優に超える大型馬だけに、レースに向かって仕上げていくには厩舎の高い技術や、担当している方の忍耐によるところも大きいと思います。今後は池江泰寿厩舎に移ることとなりますが、オープン馬も多い厩舎ですし、高いレベルの中でしのぎを削って、更に成長した姿を見せてくれるのではないのでしょうか」(中尾さん)

 今後は天皇賞(春)(G1)を目標に調整されていくことになるが、一度も経験していない距離だけに未知数な部分も多い。だが、その未知数な部分に期待したくなるのが、今のトゥザグローリーと言えよう。