2011年02月06日 東京新聞杯 G3
優勝馬:スマイルジャック
プロフィール
- 生年月日
- 2005年03月08日 06歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:28戦5勝
- 総収得賞金
- 385,483,000円
- 父
- タニノギムレット
- 母 (母父)
- シーセモア by サンデーサイレンス(USA)
- 馬主
- 齊藤 四方司
- 生産者
- 上水牧場 (鵡川)
- 調教師
- 小桧山 悟
- 騎手
- 三浦 皇成
2月6日、東京競馬場で行われた第61回東京新聞杯(G3)は、同レース3度目の挑戦となる5番人気のスマイルジャックがゴール前の接戦をハナ差制し、1年6か月振りに重賞3勝目をあげた。
生産したむかわ町の上水牧場は、昭和47年に先代の上水公氏が山林を切り開き、3頭の繁殖牝馬を連れて開場したのがはじまり。現在は2代目となる明さんが代表を務め、21頭の繁殖牝馬をパート従業員合わせて10名で牧場を運営している。これまで1983年の安田記念馬キヨヒダカ、2002年のスプリンターズステークス(G1)、2003年の高松宮記念(G1)を制したビリーヴなど多くの活躍馬を送り出している。
生産馬が重賞に出走する時はなるべく競馬場へ足を運ぶようにしているという明さんだったが、当日は子供たちのスピードスケートの試合で苫小牧のスケートリンクにいた。
「レースの時間だけ抜け出して、カーナビのテレビで応援していました。小さいテレビだからゴールの瞬間が良く見えなくて…その後お祝いの電話がかかってきて“大丈夫勝ってるよ”と言われても確定するまで気が気じゃなかったですよ」と苦笑い。
「レースに出れればチャンスはある。運が良ければ勝てると常に思っていますから、今回はダメとか今日はイケそうとか、そういう考えは持っていません。スマイルジャックは丈夫でレースもコンスタントに使えるし、脚質も自在になってどんな流れにも対応できるようになった。ますます勝つチャンスが広がったと思っています」と胸を張り、同日行われたスピードスケートの試合でも愛娘の梨裟ちゃんが小学校4年生女子の部で優勝と二重の喜びとなった。
スマイルジャックの母、シーセモアは1998年生まれ。この年、上水牧場では2頭の父サンデーサイレンス牝馬が誕生していた。
「どちらかをせりに出そうと考えて、馬っぷりの良さから迷わずシーセモアを残しました」と明さん。せりに上場されたのはもう1頭のサンデー産駒、グレートクリスティーヌの98。のちのG1馬ビリーヴだった。
「当てが外れてシーセモアは1勝しかできなかったけど、初仔のティンバーランド(牝、父ティンバーカントリー)はホッカイドウ競馬で重賞のフロイラインカップを勝ってくれて、2番仔スマイルジャックが重賞3勝。繁殖としては十分すぎるくらい期待に応えてくれています」と目を細めた。
その後、シーセモアには毎年タニノギムレットが配合されている。「同じ配合でもちょっとずつ違うタイプ生まれて来るのもおもしろいんです。骨があってしっかりしてる体型は共通してるんですが、重厚な仔、素軽い仔、気性がキツい仔、素直な仔、と様々です。今年デビュー予定の2歳(牝)が一番スマイルジャックと似ていたかな」と期待している。
最後に明さんは「生産馬の重賞勝利は嬉しいし、励みになります。そのために従業員一同日々頑張っているんですからね。でも、これからお産シーズンに入り、1年で1番忙しい時期を迎えるのだから浮かれてる場合じゃない。スマイルジャックに続く馬を生産することが目標です」と気を引き締めていた。