2011年01月16日 京成杯 G3
優勝馬:フェイトフルウォー
プロフィール
- 生年月日
- 2008年01月11日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:4戦2勝
- 総収得賞金
- 113,996,000円
- 馬主
- (有) 社台レースホース
- 生産者
- (有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
- 調教師
- 伊藤 伸一
- 騎手
- 田中 勝春
メイクデビューでは放馬しながら、果敢に先行して2着馬に2馬身半差を付ける快勝。「怒りながら走っていた」とされる東京スポーツ杯2歳S(G3)では、前走とは一転、後方からの競馬で3着に入着。ホープフルSでは「ハミを取らず、遊びながら走っていた」と鞍上に言われながらも、直線で鋭く伸びて3着に入着。
いつしか「やんちゃ」「気むずかしい」との評価を受けることになったフェイトフルウォーであるが、それでも高い能力を持ち合わせていなければ、京成杯(G3)を勝利することはできなかったはずである。
「ここにいた頃はやんちゃというよりも、元気の良さが目立っていましたね。放牧地などで良く立ち上がっていた姿を覚えています」とは白老ファームの石垣節雄繁殖主任。実はフェイトフルウォーが東京競馬場でメイクデビューを勝った同じ日には、同じく白老ファーム生産馬のアルティシムスも京都競馬場で行われたメイクデビューを勝ち上がっているが、実はアルティシムスもレースの前に放馬をしていた。
「先にアルティシムスが放馬をしていたこともあるのですが、フェイトフルウォーが放馬した瞬間には、まさかこの馬もレースを勝つなんて思いもしなかったですね」(石垣さん)
デビューから白老ファームの生産馬と縁があるフェイトフルウォーであるが、父ステイゴールドも牧場を巣立った偉大な先輩であるだけでなく、母父メジロマックイーンとの配合は、グランプリを2勝したドリームジャーニーとも一緒。父ステイゴールドだけでなく、その産駒も多く見ている石垣さんには、当時のフェイトフルウォーはどのように映ったのだろうか?
「ステイゴールドの産駒にしては馬格がありました。ただ、その頃に活躍していたステイゴールドの産駒は総じて父に似た小柄な馬だったので、どういった馬になるのかなと興味を惹かれました」(石垣さん)
馬体の印象としてはステイゴールドとは違っていたフェイトフルウォーは、レースぶりも父とは違っていた。小柄な体をフルに使っての末脚が武器だったステイゴールドに対し、フェイトフルウォーはこの京成杯(G3)ではデビュー戦と同じように前々に位置しながら、直線でいち早く集団を抜け出した。それでも先頭に立ってから「ソラを使った」と鞍上を務めた田中勝春騎手に言われてしまったのは、勝ったからこその愛嬌と言える。
「抜け出してからしぶといのは、馬格の通りにパワーを持ち合わせているからでしょう。デビュー戦からこの京成杯(G3)まで距離をこなしてくれているのも、これからのレースを考えた時に選択肢が広がってくると思います」(石垣さん)
これで白老ファーム生産の3歳世代では、東京スポーツ杯2歳S(G3)を制したサダムパテックに続く重賞制覇。またシンザン記念(G3)ではオルフェーヴルが2着に入って、賞金を加算した。
「現時点でもクラシック戦線を沸かせてくれそうな馬が3頭いるのは嬉しいことです。でも3頭共にクラシックだけでなく、これからの競馬も楽しませてくれそうなだけに、フェイトフルウォーも含めて、3頭無事にクラシックに向けて頑張って欲しいですね」(石垣さん)
やんちゃさが目立つフェイトフルウォーではあるが、真の力を発揮するのは、心身ともに大人となってからかもしれない。でも、この素質の高さだけで、クラシックを制する可能性も大いにあると言えよう。