2010年12月25日 R-NIKKEI杯2歳S G3
優勝馬:ダノンバラード
プロフィール
- 生年月日
- 2008年02月19日 02歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:3戦2勝
- 総収得賞金
- 329,076,000円
- 母 (母父)
- レディバラード(IRE) by Unbridled(USA)
- 馬主
- (株) ダノックス
- 生産者
- ケイアイファーム (三石)
- 調教師
- 池江 泰郎
- 騎手
- 武 豊
数々の名馬がたどった出世レース、ラジオNIKKEI杯2歳ステークス(G3)はダノンバラードが鮮やかな差し切り勝ちを決めた。
本馬の生産は新ひだか町三石のケイアイファーム。過去には函館記念(G3)優勝馬ブライトサンディーや、新潟2歳ステークス(Jpn3)、関東オークス(Jpn2)の覇者シンメイフジを生産している。牧場は繁殖部門、育成部門があり、スタッフは20名いる。
同牧場の繁殖スタッフ・杉山寿広さんはレース当日、応援馬券を買ってその走りを見守っていた。レースの感想を伺うと、「強いメンバーが揃っていましたが、力のある馬なので互角以上の競馬ができると思っていました。阪神の内回りコースですから、末脚が届くか不安もよぎりましたが、馬の力を信じて応援していました。ディープインパクト産駒の重賞勝ち第1号ということで、記念に残る勝利にもなりましたね。光栄に思います。」と、笑みを浮かべた。ゴールの瞬間は見ていたスタッフと共に立ち上がり、ガッツポーズをして喜びを分かち合った。
牧場時代の本馬はすこぶる順調に育ったという。杉山さんは、「放牧地で仲間と相撲をとったり、走り回ったり、元気いっぱいに過ごしました。母馬は割と大きな馬なので、ちょうど良い体型に出てくれましたね。当歳時からご覧になっていた池江泰郎調教師は“きれいな馬ですね”とおっしゃっていました。」と、当時を振り返る。
母レディバラードはアイルランド生まれで、現役時代7勝。3歳時には秋華賞(G1)にも駒を進め、古馬となってからはダート交流重賞を2つ制した。母としては2番仔ロードアリエスが京都新聞杯(Jpn2)で2着に好走し、現在は準オープンで活躍中。明け2歳には父ディープインパクトの牡馬、明け1歳には父ダイワメジャーの牝馬が順調に育っている。
母については、「大人しい馬ですね。もうベテランのお母さんですから、育児もしっかりしていて、扱いに手を焼くことはありません。産駒はきれいな馬が多く、動きの良さが目立ちます。」と、杉山さん。レディバラードはこの春、マンハッタンカフェの仔を出産予定。牧場ではオークス馬レディパステル(ディープインパクト受胎中)と仲良しで、一緒に放牧されている。
優れた才能を開花させ、クラシックロードの主役候補に名乗りをあげたダノンバラード。2011年は飛躍の年になりそうだ。杉山さんは、「クラシックを賑わせてくれる存在になって欲しいですね。中でも、日本ダービーに出走してくれたら最高です。ダービーは出るだけでも大変なことですから。」と、最高峰の舞台へと思いをこみ上げる。日本近代競馬が生んだ英雄の血には、大観衆を魅了する力が宿っているはずだ。