重賞ウィナーレポート

2010年12月04日 鳴尾記念 G3

2010年12月04日 阪神競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ルーラーシップ

プロフィール

生年月日
2007年05月15日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:7戦4勝
総収得賞金
549,764,000円
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
角居 勝彦
騎手
岩田 康誠

 エアグルーヴ×キングカメハメハという良血の血が、ついに開花した。今年の日本ダービー(G1)でも5着と実力を証明したルーラーシップは、半年ぶりの実戦というブランクを感じさせない走りを披露。最後の直線ではレベルが高いと言われる3歳勢の猛追を振り切って、見事に重賞初勝利をあげた。

 「日本ダービー(G1)の後、牧場で調整することとなりましたが、スタッフからはとても順調に来ているとの報告を聞いていましたし、休み明けでも力を発揮できる状態だと思っていました」と話すノーザンファーム事務局の中尾義信さんも、心なしか快活な声で話し出す。

 デビュー前から注目を集めていたルーラーシップは、その期待通りに2歳時のメイクデビューを勝利。その後、順調にクラスを上げていき、オープンのプリンシパルSに勝利すると、母エアグルーヴがオークス(G1)を制したのと同条件(東京競馬場、芝2400m)である、日本ダービー(G1)の舞台に歩を進めた。

 このレースで5着に入着した後、ノーザンファーム早来牧場で調整していたルーラーシップだったが、同じ3歳世代のローズキングダムが菊花賞(G1)を目指したのとは対照的に、秋の始動時期を遅らせている。

 「結果的には牧場で一夏超したことで、より成長することができたのではないかと思います。このレースにも日本ダービー(G1)で戦った馬たちだけでなく、初めての対戦となる古馬勢も出走していましたが、それでも勝利という結果だけでなく、万全なレースぶりにも成長の跡が見えていたのではないのでしょうか」(中尾さん)

 クラシックで優れた資質を証明し、3歳秋から更に成長を遂げるといえば、母エアグルーヴや、半姉のアドマイヤグルーヴとも一緒。来年のルーラーシップの活躍には多大なる期待が持てそうだが、その前に陣営からは有馬記念(G1)の出走を表明する声も聞かれた。

 「G1馬も揃いましたし、その意味では力試しになるかと思いますが、鳴尾記念(G3)の内容からしても、いいレースを見せてくれると信じています」

 このレースにはローズキングダム、そしてブエナビスタと、同じノーザンファームの生産馬で、先日行われたジャパンカップ(G1)の1着、2着馬も出走。力試しと中尾さんは話していたが、ローズキングダムとは日本ダービー(G1)で差のない競馬をしているという物差しに加え、母譲りの成長力を加味すれば、逆転も充分に考えられそうだ。