2010年10月17日 府中牝馬S G3
優勝馬:テイエムオーロラ
プロフィール
- 生年月日
- 2006年03月23日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/青鹿毛
- 戦績
- 国内:19戦6勝
- 総収得賞金
- 122,395,000円
- 母 (母父)
- ペリーヌ by トニービン(IRE)
- 馬主
- 竹園 正繼
- 生産者
- 大北牧場 (荻伏)
- 調教師
- 五十嵐 忠男
- 騎手
- 国分 恭介
東京競馬場で行われた牝馬重賞・府中牝馬S(G3)は新進気鋭の4歳馬テイエムオーロラが堂々の逃げ切り勝ちを決めた。今年3月に500万下を勝ち上がったのを皮切りにトントン拍子でオープンまで出世し、重賞挑戦2度目にして早々と栄冠を手にした。
生産は浦河町の大北牧場。名マイラー・ノースフライトの故郷だ。1989年の樫の女王ライトカラーや重賞2勝馬テンザンセイザも同牧場の生産馬。また新たに重賞ウイナーが加わった。
同牧場の齋藤善厚さんにレースのご感想を伺うと、「当日は東京競馬場で見ていましたが、調子がすごく良さそうでしたし、少しでも上の着順に入ってくれればと応援していました。展開が向く運にも恵まれましたが、強豪馬相手によく勝ってくれました。本当に嬉しいですね。最後の直線は長く感じました。」と、語ってくれた。この日はノースフライトの血を引く生産馬エーブダッチマンも白秋Sを優勝し、二重の喜びとなった。
本馬は当歳時にオータムセールに上場され、500万円(税別)で落札された。牧場時代は目立たないタイプではあったが、すこぶる順調に育ったという。齋藤さんは、「牧場では元気良く過ごしました。どちらかというと、父に似たタイプだったと思います。」と、振り返る。本馬は今回の重賞制覇で収得賞金1億円を突破。テイエムオペラオー、テイエムプリキュアをはじめ北海道市場で何頭もの重賞馬を発掘している竹園オーナーにとっては、これまた会心の購入馬となったことだろう。
本馬の母ペリーヌは今年13歳。現在は新種牡馬スクリーンヒーローを受胎している。「健康状態は良好です。小ぶりな馬で、性格は大人しく受胎も良いです。」と、齋藤さん。ペリーヌの母ケイシーはテンザンセイザ、サイレントクルーズを輩出した実績十分の母系で、産駒はレースを重ねてメキメキと力をつけていく傾向にある。本馬の成長曲線もこれから更に上を描く可能性が十分だ。
本馬の兄弟には当歳に父エアジハードの牝馬、1歳に父プリサイスエンドの牡馬がいる。齋藤さんに特徴を伺うと、「当歳は母に似ていて、骨のある馬ですね。芝が向きそうです。1歳は小ぶりですが柔らかい馬で、ダート得意のプリサイスエンド産駒ですが、芝でも十分やれそうな感じです。」と、紹介する。活力ある母系から更なる傑作を続けていきたい。
秋のG1へ向けて好メンバーが揃った一戦で、影をも踏ませぬ逃走劇を演じたテイエムオーロラ。牝馬の新星登場を印象付けた。齋藤さんは、「更に大きな舞台で活躍できたら嬉しいですね。」と、望みを語る。名牝誕生の牧場から、新たな名牝の鼓動が音を立てている。