2010年08月22日 札幌記念 G2
優勝馬:アーネストリー
プロフィール
- 生年月日
- 2005年05月17日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:17戦8勝
- 総収得賞金
- 582,909,000円
- 母 (母父)
- レットルダムール by トニービン(IRE)
- 馬主
- 前田 幸治
- 生産者
- ノースヒルズマネジメント (新冠)
- 調教師
- 佐々木 晶三
- 騎手
- 佐藤 哲三
夏競馬唯一のG2レース「第46回札幌記念」(1着賞金7000万円、2000m、16頭、22日、札幌)を制したのは、新冠町ノースヒルズマネジメント生産のアーネストリー。単独3番手から外目を回る安全策。それでも直線は追えばまだ伸びる手応えで、昨年のダービー馬ロジユニヴァースを完封してみせた。モノが違う。そんな言葉がピッタリはまるようレース運びだった。「5歳にして1戦、1戦強くなっているように感じます。実際にそうなのでしょう、佐々木(晶三)先生も札幌記念の後、『まだまだ完成していない』とおっしゃっていました」(※大山ヒルズ・斉藤慎ゼネラルマネージャー)
※大山ヒルズ…ノースヒルズマネジメントが所有する鳥取県内の育成牧場。栗東トレセンへのアクセスが良く、若駒の育成や、現役競走馬の休養地として重要な役割を担っている。
今でこそG1を狙える位置にいるアーネストリーだが、若駒時代は決して目立つ存在ではなく、牧場での評価もそれほど高くなかった。牝系は筋が通っていたものの、上の兄たちは体質が弱かったり、晩成だったりで1勝止まり。アーネストリー自身も若駒時代は「大きな体を持て余し気味だった」という。一方で、併せると抜かせない勝負根性があり、デビュー戦ではのちのオークス馬トールポピーらを完封。素質の片鱗を見せたが、その後が長かった。
「レースを使った反動が大きくて、ようやく復帰したのは翌年の3月。思った以上に長い休養になってしまいました」。しかし、結果的にはあの休養が良かった、と斉藤さん。成長が必要な時期に、じっくり休めたことで中身がギュッと詰まったという。「あまり使い込むと良くないのは今も同じですが、あの休養で腰周りにしっかり身がついて、競走馬らしい体つきになりました」。その後もアーネストリーは短期、中期休養を繰り返すが、キャリアを積むごとに逞しく成長。4歳春には重賞戦線で活躍するまでになっていた。
09年中日新聞杯(G3)で初戴冠、2つ目は翌年の金鯱賞(G2)。そしてこの夏、札幌記念(G2)で3つ目の重賞勝利。
「今のところ、この馬にとって理想のレース間隔は2か月くらい。宝塚記念(G1)(3着)は金鯱賞(G2)の約1か月後でしたから、100%のデキとは言えませんでした。こうした経験を踏まえて、天皇賞(G1)へは直行します。これでレース間を詰めて使えるようになれば本物ですね」
札幌記念(G2)→天皇賞(秋)(G1)のローテは、05年天皇賞馬で同牧場生産のヘヴンリーロマンスと同じ。そして、札幌記念(G2)からきっちり2か月後となる。「G1のタイトルを獲って、今後は海外遠征を含め、さらなる飛躍を目指して欲しい」(斉藤さん)。
10月31日、天皇賞(秋)(G1)。東京競馬場の大舞台には、より完成に近づいたアーネストリーが立っているはずだ。