2010年06月06日 安田記念 G1
優勝馬:ショウワモダン
プロフィール
- 生年月日
- 2004年03月31日 06歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:39戦10勝
- 総収得賞金
- 354,050,000円
- 父
- エアジハード
- 母 (母父)
- ユメシバイ by トニービン(IRE)
- 馬主
- 山岸 桂市
- 生産者
- 社台ファーム (千歳)
- 調教師
- 杉浦 宏昭
- 騎手
- 後藤 浩輝
日本中央競馬会初代理事長・安田伊左衛門の功績を称えることから名付けられた安田記念(G1)。長距離偏重とまで言われた時代の中で1600mという距離のレースに名前を冠したいきさつはわからないが、先見の明といわざるを得ない。
そんな安田記念(G1)で大記録が生まれた。エアジハード産駒のショウワモダンが勝ったことによって父仔制覇、そして祖父サクラユタカオーから続く3世代連続父仔G1制覇が成し遂げられた。
「この血統は、よく知っていますからね」とはショウワモダンを生産、そして育成した社台ファームの東礼治郎調教主任だった。牝系は1969年に社台ファームが輸入したリリーオブザナイルまでさかのぼる。仏チャンピオンサイアーのリヴァーマンなどを擁する良血ファミリーだが、半兄ユメシバイは2007年の新潟記念(G3)に勝ち、トーセンシャナオーは2006年のセントライト記念(G2)の勝馬。ほか短距離で活躍したシャドウスケイプやセンリョウヤクシャ、あるいは“幻のダービー馬”といわれたアスワンなど多くの重賞勝馬を出してきた名門ファミリーだ。そして、父のエアジハードもまた社台ファームの生産、育成馬。
「サクラユタカオーの仔もそうなんだけど、エアジハードの仔は完成するまでに時間が掛かるんですよ。なんていうか、レースに行って落ち着きがない。集中しないんです」という。2歳夏にデビューしたショウワモダンも堅実なレースを繰り返しつつ、初勝利は3歳1月までずれ込んだ。父同様に連勝で挑んだスプリングS(Jpn2)は4着でクラシックへの道は閉ざされたが、レースを使われながら確実に力をつけて、今春のダービー卿チャレンジトロフィー(G3)は14度目の挑戦で初重賞勝ち。39戦目の初G1勝利はグルメフロンティアの35戦を抜いて、最も遅咲きの名花となった。
「今回の安田記念(G1)は社台ファームとしては5頭出しだったですけど、この馬の上昇度が一番だったってことでしょうね」と東さん。当日はテレビ観戦だったそうだが「育成時代から手応えを感じていた」というショウワモダンの力強いレースを心強く見ていたという。「さすがG1レースですからゴールに入るまでは安心できませんでしたし、楽な競馬ではなかったですけど、この馬だってダービー卿チャレンジトロフィー(G3)を勝って、前走のメイSも59キロを背負って完勝でしたからね。あんまり時計が速くなると嫌だったんですが、勝ててよかったです」と愛馬の成長に目を細めた。
レース後は社台ファームに戻って秋に備えている。今後は杉浦調教師にとってはテレグノシス以来となる仏(ジャック・ル・マロワ賞(G1))遠征や国内残留、あるいは暮れの香港遠征などが取り立たされているが、今やニッポンの名血に成長したショウワモダンの活躍に期待したい。