重賞ウィナーレポート

2009年05月17日 ヴィクトリアマイル G1

2009年05月17日 東京競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ウオッカ

プロフィール

生年月日
2004年04月04日 05歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:18戦8勝
総収得賞金
1,304,876,000円
タニノギムレット
母 (母父)
タニノシスター  by  ルション(USA)
馬主
谷水 雄三
生産者
カントリー牧場 (静内)
調教師
角居 勝彦
騎手
武 豊
  • 母タニノシスター~豊畑本場
    母タニノシスター~豊畑本場
  • 同

  • タニノシスターの半姉タニノエクセレント
    タニノシスターの半姉タニノエクセレント
  • タニノエクセレントの当歳(父バゴ)
    タニノエクセレントの当歳(父バゴ)
 圧倒的な強さでウオッカがヴィクトリアマイルを制した。
 本馬を生産したのは新ひだか町のカントリー牧場。 古くはタニノムーティエ、タニノハローモア、最近ではタニノギムレット、ウオッカというダービー馬を輩出した名門牧場だ。牧場の事務所に行くと数々の優勝レイや優勝写真が華やかに飾られていた。

 同牧場の西山貴司場長はレース当日、息子さんと2人で東京競馬場へ応援に駆け付けた。西山場長にレースの感想を伺うと、
 「嬉しいという気持ちと、安心したという気持ち、両方ですね。」
と、断然の支持に応えてくれた愛馬の走りに歓喜と安堵の気持ちが折り重なったご様子だ。
 レース前の気持ちを思い出していただくと、
「調教の動きが良かったですし、馬体もふっくらして良い状態だなと思っていましたが、前走のドバイが好調子で敗れてしまっていたので、レース前は半信半疑な気持ちもありました。」
という言葉が返ってきた。当日は期待と不安を交えつつの観戦だったようだが、レース内容はその不安を吹き飛ばすかの圧勝劇だった。

 本馬の母タニノシスター(母の父ルション)は現役時代5勝を挙げた活躍馬。今年で16歳を迎えた。
「タニノシスターは健康そのものですね。今年はタニノギムレットを種付けしています。」(西山場長)
 来年の産駒誕生に期待が持たれる。
 1歳の全妹は昨年のセレクトセールに上場し、高値で取引された。昨秋、購買先の牧場へ移動したという。
 「1歳の全妹はウオッカと比較してもしっかりした馬ですよ。気性的なうるささもなく、順調のようです。」
と、トーンは高い。偉大な姉を持つ彼女のデビューには大きな注目が集まることだろう。
 また、牧場にはウオッカの半姉タニノエクセレントが繁殖入りしており、今年はバゴとの間に牝馬が産まれている。顔の星はウオッカに似ていて、元気に放牧地を駆けまわっていた。
 繁殖スタッフの出口さんによると、
 「良い馬ですよ。人なつっこいですね。」
との回答、活力あるファミリーから更なる大物登場の可能性も十分だ。

 ウオッカの次走は安田記念の予定。2連覇の快挙がかかっている。西山場長は、
 「当日は繁殖・育成のスタッフと共に応援に行きます。ウオッカに沢山のファンがいることは非常に嬉しいことですし、レースに出るからには勝って欲しいですが、とにかく無事に走ってきてもらいたいです。繁殖牝馬としての期待もありますし、無事に帰ってきて欲しいというのが願いです。」
と、心中を語った。
 最後に、牧場の目標を伺うと、
「なかなか難しいことですが、毎年GⅠに1頭、特に、クラシックに1頭出していきたいですね。」
と、更なる実績の積み重ねに意欲を燃やしている。幾多の大レースを制してきたカントリー牧場から、今後もウオッカのようなファンを魅了する名馬が送り出されることだろう。