重賞ウィナーレポート

2009年11月08日 ファンタジーS Jpn3

2009年11月08日 京都競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:タガノエリザベート

プロフィール

生年月日
2007年02月07日 02歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:4戦2勝
総収得賞金
41,074,000円
スペシャルウィーク
母 (母父)
ストレイキャット  by  Storm Cat(USA)
馬主
八木 昌司
生産者
(有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
調教師
松田 博資
騎手
川田 将雅
 「ブエナビスタ2世」というキャッチフレーズがピッタリはまる、ゾクゾクと来るような末脚だった。

 直線に向いたとき、タガノエリザベートのポジションは16頭中の16番手。しかし、そこから川田騎手のムチに応えるように、1頭、また1頭と前を行く馬を抜き去っていく。そしてゴール板寸前で、抜け出したベストクルーズも並ぶ間もなく交わしていく。その末足の凄さは、ベストクルーズに騎乗していた安藤勝己騎手が、驚いたようにタガノエリザベートを振り返ったことにも現れている。

 「後ろから競馬をしていたので、前が速くなってくれないかと思って競馬を見ていましたが、あの脚にはびっくりしました」と白老ファームの石垣節雄繁殖主任もそのレースぶりに舌を巻く。いや、石垣主任は前走のデイリー杯2歳S(Jpn2)から、タガノエリザベートの潜在能力には気付いていた。

 「敗れたとはいえ、いい感じで追い込んできたなと見ていたら、上がりのタイムは勝った馬と一緒でした。今回はメンバー中唯一上がり33秒台の脚を使っていましたし、展開に恵まれたわけではないのは、前で競馬をしていた馬が上位に来ていることからも証明されているのではないでしょうか」(石垣主任)

 タガノエリザベートの母ストレイキャットは、白老ファームの生産馬で、秋の古馬G1を3連勝したゼンノロブロイの半姉。母の母ローミンレイチェルはバレリーナH(G1)を含む9勝をあげている。

 「ストレイキャット自身は未勝利に終わっていますが、産駒の活躍を見る限り、やはり血統なのかなと思いますね。ストレイキャットの産駒は決して目立ったところがなく、牧場にいた頃のタガノエリザベートもあまり印象の無い馬でした。今年はゴールドアリュールの牝馬を出産しています」(石垣主任)

 石垣さんに「ブエナビスタ2世」の話を向けると、「まだ、あの馬ほど安定した走りを見せていませんから」と謙遜する。しかし、「切れがあることは証明された訳ですから、次のレースも楽しみです」とエールを送る。その次のレースとなりそうなのが阪神JF(Jpn1)。ただ、ゼンノロブロイの活躍や、3歳になってから本格化するスペシャルウィークの産駒という事を考えても、このレースをステップに来年のクラシックを沸かす存在となっていきそうだ。