重賞ウィナーレポート

2010年03月21日 スプリングS G2

2010年03月21日 中山競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アリゼオ

プロフィール

生年月日
2007年03月12日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:4戦3勝
総収得賞金
163,879,000円
シンボリクリスエス(USA)
母 (母父)
スクエアアウェイ  by  フジキセキ
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
(有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
調教師
堀 宣行
騎手
横山 典弘
 「クラシック」とは競馬では格式のあるレースとして用いられるが、長い歴史を持つという意味もある。「牡馬クラシックレース」の第1弾、皐月賞トライアルであるスプリングS(G2)で、社台グループが長きに渡って育ててきたレディチャッター系の血を引く、「クラシックな血統」であるアリゼオが優勝した。

 「白老ファームにおけるこの血統の重賞制覇は、アリゼオの祖母スケアヘッドラインの産駒であるワンモアチャッターが、朝日チャレンジC(G3)を優勝して以来になりますね」とは白老ファームの石垣節雄繁殖主任。レディチャッター系はアリゼオやワンモアチャッターの他にも、インティライミ(京都大賞典(G2)など重賞3勝)、プレミアムボックス(CBC賞(G3)など重賞3勝)と、現在も活力が衰えることなく、距離適正の広さも証明している。

 その一方で、レディチャッター系の活躍馬は牡馬に集中している。スケアヘッドラインの産駒からはインターサクセスが5勝、スマートギア(牡5、佐山)が4勝をあげ、重賞戦線でも好走を見せているが、不思議と牝馬の競走成績は、牡馬と比べると大きく劣っている。

 「この血統は牡馬が結果を残していたので、スクエアアウェイが3番仔に牡馬を誕生させたと聞いた時には、それだけで走るのではと思いました。馬体も母父に入ったフジキセキの柔らかさと、父のシンボリクリスエスの馬体の良さがちょうどミックスされていて、これならいい所までいけるのではと感じました」(石垣繁殖主任)

 デビューしたアリゼオは、石垣繁殖主任の期待通りにメイクデビューに続き、ホープフルSも優勝。1番人気に支持された共同通信杯(G3)こそ惜しくも3着に敗れたものの、重賞級の能力を持ち合わせていることを証明してみせた。

 このスプリングS(G2)には、2歳チャンピオンのローズキングダムが出走。圧倒的な単勝支持を集めたローズキングダムに押し出される形で、2番人気での出走となったアリゼオだが、ゲートが開くと果敢に先手を奪っていく。

 「共同通信杯(G3)の時とは違って、今回はパドックで落ち着いていたので、これなら能力を出し切れるのではと思いました。レースでは前に行っていましたが、走ることに集中していたので安心して見てられました」(石垣繁殖主任)

 石垣繁殖主任が勝利を意識したのは、直線で後続との差を更に広げ始めた時だった。後続馬の追い込みにもセーフティーリードを保ったまま、余裕の手応えでゴール。一躍、皐月賞(G1)の有力候補に躍り出た。

 「まずは、クラシックに出走出来て嬉しいというのが、率直な気持ちです。皐月賞(G1)では今回より1ハロン距離が伸びますが、血統的にも不安はありませんし、楽しみの方が多いです」(石垣繁殖主任)

 「クラシックな血統」が「クラシックホース」となる。アリゼオが皐月賞(G1)で全能力を発揮出来た時、それは現実となりそうだ。