重賞ウィナーレポート

2009年04月19日 皐月賞 Jpn1

2009年04月19日 中山競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アンライバルド

プロフィール

生年月日
2006年04月13日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:5戦4勝
総収得賞金
232,479,000円
ネオユニヴァース
母 (母父)
バレークイーン(IRE)  by  Sadler's Wells(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
友道 康夫
騎手
岩田 康誠
 3強の対決とも呼ばれた今年の皐月賞を制したのは、その3強の一角を占めたアンライバルドだった。 こう振り返るのは簡単なことかもしれないが、この皐月賞でアンライバルドが見せたパフォーマンスは圧巻の一言に尽きる。有力馬たちを4コーナーでの加速で一気に置き去りとし、その後もみるみるうちに着差を広げていく。1分58秒7の勝ち時計はコースレコードに0秒2差まで迫るものであり、過去の皐月賞と比較しても史上3番目となる好時計だった。

 「ハイペースの流れを後方集団の先団に位置していましたが、その姿を見て、いつものアンライバルドのレースができていると思いました」

 とレースを振り返ってくれるのはノーザンファームの中尾義信さん。G1という大舞台でも自分のレースを貫くそのスタイルが勝利に結びついたのでは、と中尾さんは分析する。

 今年の皐月賞を振り返ってもう一つ驚くべき事実は、ダービー馬フサイチコンコルドの母であるバレークイーンが15年ぶりにG1馬の母となったことだろう。
 バレークイーンはフサイチコンコルドだけでなく、ミラクルアドマイヤ、ボーンキングと3頭の種牡馬を輩出するなど、活力が衰えることなく活躍馬を送り出してきた。

 「これまでの産駒には様々なタイプの馬がいました。その中ではネオユニヴァースを父に持つアンライバルドは体格の面ではバランスが取れていながらややコンパクトな馬体にも映ったのですが、この馬体が最も母系の能力を発揮できるサイズなのかもしれません」(中尾さん)

 それにしてもこの春G1シーズンにおけるノーザンファームの勢いは凄い。桜花賞を制したブエナビスタに続く皐月賞勝利。桜花賞で見せたあまりの強さに、ブエナビスタには早くも牝馬3冠制覇の声も聞かれており、またアンライバルドもフサイチコンコルドに続く日本ダービー兄弟制覇の期待もかかる。それでも中尾さんはブエナビスタが制した桜花賞の後にお話を聞かせてもらったように、慎重な姿勢を崩さない。

 「上位入着馬もいいレースを見せていましたし、また、人気馬たちも巻き返しを図ってくることでしょう。これまではチャレンジャーだったアンライバルドは次は他の馬の挑戦を受ける立場となるので、またレースも変わって来るはずです。それでも皐月賞のように自分のレースに徹することができれば、いい結果に繋がってくれると思います」(中尾さん)

 半兄フサイチコンコルドだけでなく、父ネオユニヴァースもその名を刻み込んだ日本ダービー。能力だけでなく、血統面からも今年のダービー馬に一番近い存在が、アンライバルドであることは間違いない。